2009年5月14日(木)「しんぶん赤旗」
国連総会
米を人権理事国に初選出
方針転換 「多国間機関で役割」
ライス米大使 「われわれは完全でない」
【ワシントン=小林俊哉】国連総会は十二日、人権理事会(定数四七)の一部改選を行い、新理事国十八カ国を選出しました。二〇〇六年の同理事会発足以来、初めて立候補した米国は百六十七票の支持票を得て当選しました。
米国のブッシュ前政権は、米国が一方的に「人権侵害国」だとみなしているキューバ、イランなどが理事国に就任する可能性があるとして、同理事会立候補を見送ってきました。オバマ政権は、「人権は米国の外交政策の中で最も重要な要素だ」(クリントン国務長官)として方針を転換しました。
ライス米国連大使は理事国選出を受け、前政権がグアンタナモ収容所などでの拷問問題で国際的な批判を浴びたことも念頭に置き、「われわれ自身も完全ではない」と述べ、「米国が多国間機関のなかで有意義な役割を再び果たすようにとの励ましを受けたことをうれしく思う」と述べました。米国務省のケリー報道官も同日、「(米国は)国際社会と密接に協力し、人権問題にともに取り組むと約束する」との声明を発表しました。
今回の改選で選出されたのは米国のほか、ベルギー、ハンガリー、キルギス、ノルウェー、バングラデシュ、カメルーン、中国、キューバ、ジブチ、ヨルダン、モーリシャス、ナイジェリア、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、セネガル、ウルグアイの各国です。中国は米国と同数の百六十七票、キューバは百六十三票を獲得しました。
選挙戦になった「東欧」枠ではロシア、ハンガリー、アゼルバイジャンが改選二議席を争い、アゼルバイジャンが落選。「アフリカ」枠では五議席に六カ国が立候補し、ケニアが選に漏れました。
国連人権理事会 二〇〇六年三月に従来の人権委員会を改組、国連総会下部機関として設立。加盟国が人権義務を守るのを助け、人権分野での国際法の発展を総会に勧告します。理事国は四十七カ国で、アジア十三、アフリカ十三、ラテンアメリカ八、東欧六、北米・西欧七と五地域に配分。国連総会での選挙で、加盟国百九十二の絶対過半数(九十七カ国)で選出されます。任期は三年で連続二期まで。国連総会は投票国の三分の二の賛成で人権侵害国の理事国資格を停止できます。

