2009年5月11日(月)「しんぶん赤旗」

日本、母親への支援34位

国際援助団体158カ国調査


 国際援助団体「セーブ・ザ・チルドレン」は十日の「母の日」に際し、『世界母親白書』を公表、世界各国で母子が置かれている現状に注意を喚起しました。白書は同団体が毎年発行。今年は十回目に当たります。

 白書は、発展途上国を中心に世界で小学校を卒業できない子どもが七千五百万人に達していると指摘しています。

 また貧困、栄養不足、不十分な養育のため、途上国の五歳未満児の約40%に当たる二億人が知識能力を発展できずにいます。

 米国の公立小学校四年生の68%に当たる二百五十万人が、学年に応じた読書能力がないことも明らかになりました。また四十年前には世界最高だった米国の高校卒業率が、二〇〇〇年には二十四工業諸国中十八位に転落しています。

 白書は、「人類の将来は、母親が次世代をどのように育て上げられるかにかかっている」と強調。母親と子どもの保健向上への資金投入、教育の充実やエイズ、紛争、自然災害の被害を受けた子どもの教育の機会拡充などを提案しています。

 白書は、育児休暇制度などを基準に、母親になるのに適した国を表す「母親指標」を掲載。世界の百五十八カ国中でスウェーデン、ノルウェー、オーストラリアが上位、西アフリカのニジェールが最下位で、最下位十カ国中七カ国がサハラ以南のアフリカ諸国でした。

 日本は育児休暇制度や女性の政治参加などで上位国から引き離され三年連続で順位を落とし、三十四位。米国は昨年と同じ二十七位でした。(夏目雅至)


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