2009年4月22日(水)「しんぶん赤旗」

「君が代」訴訟

強制が信頼壊した

東京高裁 前三鷹高校長が証言


 卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかったため定年後の再雇用を取り消され、事実上解雇された元東京都立高校教員十人が、都を相手に教員としての地位確認などを求めた訴訟の控訴審口頭弁論が二十一日、東京高裁で開かれました。都立三鷹高校の土肥信雄前校長が原告側の証人として出廷し、都教育委員会の「君が代・日の丸」強制で、教職員との信頼関係が壊されたと証言しました。

 土肥前校長は、都教委が「日の丸・君が代」を強制するために出した通達について「校長に対する職務命令だといわれた」と証言。「法令順守」の立場から教職員に対して起立斉唱を命じる職務命令を出さざるを得なかったと、のべました。

 また、三鷹高校定時制の卒業式に際して文書による職務命令は出す必要がないと考え口頭の命令だけにとどめたところ、都教委から事情聴取を六回も受け、「裁判対策上文書が必要」として、文書で出すように迫られたことを明らかにしました。

 「教育活動は生徒を主体に、校長と教職員の共同で行うもので信頼関係が大事」だと強調。職務命令を出したことで「信頼関係がなくなりつらい思いをした」と語りました。

 「国旗・国歌」についてはさまざまな意見があるので各学校で自主的に判断するべきだと思うとのべ、現在の都教委やり方については「従わないものを排除するもので、教育にとっては大きなマイナス」と批判しました。

 土肥前校長は、都教委が職員会議で教職員の意向を確かめるための挙手・採決を禁止する通達を出したことを批判。公開討論を求めています。



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