2009年4月16日(木)「しんぶん赤旗」

岩国米軍住宅

06年に5候補地調査

防衛省 艦載機移転決定の直後


 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機移転に関連して、移転計画が決まった二〇〇六年五月一日の直後に、国が岩国市内に五カ所の米軍住宅候補地を挙げて検討していたことが十四日、日本共産党の仁比聡平参院議員と「しんぶん赤旗」が入手した防衛省の内部資料で明らかになりました。

 資料は、防衛施設庁(現防衛省)の伊藤重樹施設企画室室長補佐から広島防衛施設局(現中国四国防衛局)に出された「米軍家族住宅等の建設に係る適地検討について」。〇六年五月二十二日付の同庁の依頼文書と同年六月十二日付の施設局からの回答文書です。伊藤氏は現在、中国四国防衛局で地方調整課長として岩国基地にかかわる問題を担当しています。

 依頼文書は「相当規模の面積」の確保と「移駐の時期(2014年までに完了)を踏まえた整備期間も考慮する必要(がある)」と指摘。基地周辺であらかじめ「住宅等の建設に係る適地」を検討する必要があるとしています。

 六月十二日付の回答文書で施設局は、五地区について(1)地区名(2)所在地(3)面積・所有者数・筆数(抵当権の有無)(4)岩国基地正門からの距離・時間(5)都市計画法等の法的規制(6)地元情勢―を詳細に報告。しかし、位置図も含め中身は黒塗りされており、具体的な内容は確認できません。

 仁比氏は十四日、中国四国防衛局を訪れ、黒塗り部分の開示と日米協議の内容の公表を求めましたが、防衛局は「日米で協議中のため答えられない」と拒否しました。

 仁比氏は「依頼から一カ月ほどで回答している。施設局は以前から調査していたのではないか」と指摘します。

 同行した日本共産党の久米慶典山口県議は「調査が行われた〇六年の九月議会で県が愛宕山開発事業の見直し方針を示し、十一月に赤字となる事業収支試算を出した流れを見ると、この調査が事業中止のきっかけになったのではないか」と話しています。



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