2009年4月9日(木)「しんぶん赤旗」

文化・宗教間の協力を

政府首脳ら1500人が参加

「文明の同盟」フォーラム


 異なる文明・宗教間の対話と相互理解を目指す「文明の同盟」の第二回フォーラムが六、七日、トルコのイスタンブールで開かれ、六カ国の政府首脳、三十六カ国の外相らをはじめ千五百人以上が参加しました。

 国連の広報などによると、開会のあいさつに立った潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、世界的な経済危機のもとであまりにも多くの人が失職し、飢え、怒りに駆られて人種的憎悪の対象を求めているとし、「きわめて危険かつ致命的な問題だ」と警告しました。

 そのうえで「異なるコミュニティー間、宗教間、グループ間の真の協力精神がなければ、どれほど多くの平和維持軍も停戦・人権監視団も永続的な平和をもたらさない」とのべ、「文明の同盟」の取り組みを激励しました。

 同「同盟」の発案者であるスペインのサパテロ首相は、これが「寛容と尊重の共通の家」であり、「野心を満たすためではなく、共存をもたらすことに役立つ」ものだと指摘。同「同盟」が国連設立と同じ平和という価値に基づいて発足したことを強調しました。

 今年のフォーラムは昨年一月のマドリードに続くもの。トルコ政府が主催した六日夜のレセプションには、同国訪問中のオバマ米大統領も出席し、同フォーラムに冷淡であったブッシュ前政権からの路線転換を印象づけました。

 フォーラムは、「社会と宗教」「異文化間の対話と協力」「教育を通じた青年雇用の促進」「多様性を学ぶ」などさまざまなテーマで意見が交わされました。(浅田信幸)


 文明の同盟 「異文明・文化間の共存」を掲げ、「西側世界とアラブ・イスラム世界の間にある相互否定的な認識を正す」ことを目的とした国連のプロジェクト。二〇〇四年九月の国連総会でスペインのサパテロ首相が提唱。その後、トルコのエルドアン首相が共同発起人となり、〇五年に国連プロジェクトとして公式に発足。これを支持・実行する「友好グループ」には日本を含む百十カ国・機関が参加しています。


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