2009年4月8日(水)「しんぶん赤旗」

“イスラムとの関係改善”

米大統領、トルコを訪問


 【カイロ=松本眞志】オバマ米大統領は六日、トルコの首都アンカラを訪れました。大統領就任後、初のイスラム圏訪問です。オバマ氏はトルコのギュル大統領と会談し、国会で演説しました。

 オバマ氏は演説で、「米国はイスラムと戦争状態にはない」と述べ、ブッシュ米政権時代に悪化したイスラム諸国との関係改善を誓約。中東和平問題で公正な立場に立つことを強調するとともに、「イスラエルとパレスチナの両国民が平和と安全に生活する二国家共存を強く支持する」と訴えました。同時に、トルコが仲介するイスラエルとシリアの和平交渉への支持も表明しました。

 オバマ氏が欧州歴訪の最後の訪問地にトルコを選び、イスラム世界との友好関係を呼びかけた背景には、ブッシュ前米政権が行ってきたイラクやアフガニスタンでの「対テロ戦争」に対する中東地域での根強い反発があります。イスラム教徒が国民の99%を占め、アラブ諸国やイランにも影響力があるトルコとの関係強化は、域内での米国のイメージを変え、対イラン外交への協力を確保する上で不可欠との認識があったとされます。

 トルコはまた、中東で唯一の北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり、米国がイラクとアフガニスタンでの軍事作戦を遂行する上で戦略上重要な位置を占めています。イラク開戦当時、ブッシュ政権はインシルリク空軍基地の使用をトルコ側に求めましたが拒否されました。オバマ氏は今回の訪問で同基地の重要な役割についてトルコ指導部と話し合ったといわれています。


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