2009年4月6日(月)「しんぶん赤旗」

たたかいは未来に生きる

志位委員長、非正規労働者と懇談

ホンダ・シャープ…違法の実態次々

三重・鈴鹿


 日本共産党の志位和夫委員長、市田忠義書記局長は五日、それぞれ遊説先の三重県鈴鹿市、長崎県佐世保市で、大企業に「雇い止め」「派遣切り」された非正規労働者らと懇談し、「みなさんのたたかいは必ず未来に生きる」「これからも一緒にがんばっていきましょう」と激励しました。


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(写真)大企業の非正規雇用労働者と懇談する志位和夫委員長=5日、三重県鈴鹿市

 「一人で悩んであきらめるのではなく、連帯して社会を動かすことが大切だとわかった」(三十三歳の男性派遣労働者)―。志位委員長は「非正規切り」の被害を受けている派遣・期間労働者約二十人と懇談(党県委員会と北勢地区委員会共催)し、参加者はこんな感想を語りました。

 同市を含む北勢地域には、ホンダやシャープなど「非正規切り」を行っている大企業の工場が集中しています。懇談に参加したのは、この地域の主に若い労働者。「派遣切り」で途方にくれる中、数日前にインターネットで「困ったときは共産党に」との文言を見つけて、党に連絡してきたばかりの青年も。

 志位氏はあいさつで、いまの非正規労働は、現行法に照らしても圧倒的多数が違法状態にあるが、「法違反はどんな理由であれ許されない」と強調。「現行法でもたたかう道はある。みなさんの実態を教えてほしい」とのべ、身を乗り出しながら一人ひとりの声に耳を傾けました。

 ホンダ・鈴鹿製作所で雇い止めを強いられている男性は、期間制限を超える三年九カ月も派遣として働かされた上に、去年八月からは期間工として二カ月の細切れ契約を反復してきた実態を告発。派遣期間制限違反、短期契約の反復という「二重三重の違法行為です」(志位氏)。もう一人の男性も、ホンダで三年間、期間工として二カ月契約の更新を繰り返してきたと述べ、「裁判を起こしてでもこうした実態を変えたい」と決意を語るとともに、「地域に一人必ず国会議員がいる共産党になっていただければ…」と切実な願いを語りました。

 鈴鹿市の富士ゼロックスで「派遣切り」を通告された若い女性は、同社で八年間も同じ仕事で働いていました。寮費は約七万円で光熱費等は三万円、さらに社会保険料などを引くと手取りは五万円以下になるときもあるといいます。後から、最初は「偽装請負」で派遣期間制限も超えていることがわかりました。「働くのに精いっぱいで全然知らなかった」。女性は悔しそうにいいました。

 四日市市のパナソニックで「派遣切り」を通告された男性も、五年七カ月同じ仕事で働き、「チャンスがあれば正社員に」と思っていました。この場合も、大企業による二重の違法行為であり、志位氏が、「労働局への申告を検討してはどうか」と助言すると、男性は深くうなずきました。

 また、ある男性は、日産九州、トヨタ車体(愛知県)、シャープ系列の下請け(淡路島)など全国を転々とさせられたうえ、シャープ亀山工場(三重県)で「派遣切り」にあったという境遇を切々と訴えました。

 志位氏は、これらの実態に、「大企業の労働現場がまさに“違法の巣(そう)窟(くつ)”とされていることに憤りを感じます」とのべるとともに、大企業に対し、「巨額の内部留保のごく一部を使えば雇用は維持できる」と要求するのは当然だが、「現行法に照らしても違法行為は許さない。ここをしっかり握ってたたかえば道は開かれます」と語りかけました。

 参加者からは、労組に入ってたたかっている取り組みも次々報告されました。志位氏が、「みなさんのたたかいは必ず未来に生きる。日本社会の姿かたちを変える大事なたたかいです」と激励し、日本共産党としてもともに力をあわせ、全力をあげて奮闘すると表明、参加者は大きな拍手でこれに応えました。

 懇談には、日本共産党から衆院東海比例予定候補の八田ひろ子候補と中野たけし予定候補、大嶽隆司県委員長らが同席しました。


「非正規切り」をめぐる法違反の例

 派遣労働は、最大三年の期間制限を超える場合、派遣先が直接雇用を申し入れる義務がありますが、多くの大企業が正社員にするどころか、「派遣切り」を行っています。派遣期間には「偽装請負」だった期間も通算されます。

 期間労働者の場合でも、短期の雇用契約を反復更新している場合は、労働契約法一七条二項違反です。その「雇い止め」は、雇用継続への期待を持たせている場合は「解雇権の乱用」にあたります。



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