2009年4月1日(水)「しんぶん赤旗」

「非正規」失職19万人

失業率・求人も急激悪化


 輸出大企業を先頭にした「非正規社員切り」などの雇用破壊で、三十一日発表された政府の雇用統計は、いずれも急激に悪化しました。大企業に雇用を守る社会的責任を果たさせることは待ったなしの課題です。政府や国会が果たすべき責任は重大です。


 二月は求人、完全失業率ともに大幅に悪化しました。雇用破壊はさらに加速しようとしています。厚生労働省の発表によると、昨年十月から今年六月までの九カ月間に失職する非正規労働者は十九万二千六十一人に達します。このうち三月末までに限ると十八万四千三百四十七人で、前回の二月調査時から二万六千五百四十一人増えています。

 業種別では製造業が十八万一千百三十人で、「非正規社員切り」の95%を占めています。

 雇用形態別では、派遣労働者が十二万五千三百三十九人で65・3%を占め、このうち中途解除が五万七千人とおよそ半数です。依然として違法解雇が横行し、増加しています。

 派遣契約の中途解除にかかわる厚労省の指導監督件数も、二月末までに派遣先千二百四十三件、派遣会社二千三十六件と前月より増加しています。

 また、派遣会社に対する調査によると、派遣先から中途解除された約三万一千人のうち、84・3%は派遣会社からの解雇などで離職しています。他の会社に派遣されるなど雇用が継続しているのは、わずか10・5%です。

 三月末までの正社員の解雇数は、百人以上の大量離職の集計だけで、一万二千五百二人にのぼります。

 大企業の内部留保は、製造業だけで百二十兆円(二〇〇七年度末)に達しており、雇用を維持する体力は十分にあります。

 大企業が目先の利益を確保するために人員削減に走る中、政府の指導・監督責任が問われます。また、日本経団連、財界代表を国会に招致し、大企業に雇用に対する社会的責任を果たさせることなど、国会がその役割を発揮するときです。

■失職非正規労働者数(6月まで)
 192,061人

■失職非正規労働者数(3月まで)
 184,347人(前月比 26,541人増)

■内定取り消し(3月23日現在)
 1,845人(前回調査比 271人増)

■2月の有効求人倍率
 0.59倍(前月比 0.08ポイント減)

■2月の完全失業率
 4.4%(前月比 0.3ポイント悪化)

■2月の現金給与総額(月額)

 265,701円(前年同月比 2.7%減)

※3月31日発表の政府雇用関連統計から。失職非正規労働者数は、2008年10月以降の失職者

グラフ


■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp