2009年3月19日(木)「しんぶん赤旗」

英核弾頭 削減の用意

“交渉のテーブルに”

首相、NPT会議控え表明


 【ロンドン=小玉純一】英国のブラウン首相は十七日、ロンドンで開催された核エネルギーに関する国際会議で演説し、「英国の核弾頭を削減する用意がある」と述べました。英国ではミリバンド外相が先月はじめ、「核兵器廃絶への条件づくり」を提唱しており、今回の首相発言はこの方向に沿って主導性を発揮する意思を明らかにしたものです。

 首相は、英国が配備している百六十発未満の核弾頭数を「見直している」としたうえで、「英国の核抑止力や多国間交渉の進展と両立させて核弾頭数を削減できるなら、そうする用意がある」と言明。核不拡散条約(NPT)再検討会議を来年の二〇一〇年に控え、英国の核弾頭数を国際交渉のテーブルにのせる考えを表明しました。

 首相は「核兵器国がみずからの核兵器削減を行動で示さないなら、核兵器拡散を阻む道義的政治的指導性を首尾よく発揮できない」と指摘。他国と協力して、原発、核軍縮、核不拡散などの諸提案をもった「2010計画への道」を今年夏までに立案することや、核軍縮などについて核兵器国の会議を主催する意向を表明しました。

 他方、イランの核問題について、「イランには民生用核計画を持つ絶対的権利がある」としつつ、「現在の核計画は受け入れられない」と指摘。「米オバマ政権の申し出も含めた国際社会の交渉の意思を利用することを望む」と述べました。

 NPT再検討会議 核不拡散条約(NPT)の運用と履行を検討する締約国の会議で、五年ごとに開催。一九九五年会議ではNPTの無期限延長が決定され、二〇〇〇年会議は「核廃絶への明確な約束」など十三項目の核軍縮措置を盛り込んだ「最終文書」を採択。しかし〇五年会議では、ブッシュ米政権が二〇〇〇年「最終文書」の死文化を公言し、合意に達しないまま閉会しました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp