2009年3月15日(日)「しんぶん赤旗」

英労組・NGO

「人間第一に」提言

G20へ 貧困・温暖化 変革迫る


 【ロンドン=小玉純一】英国の労組全国組織・労働組合会議(TUC)とその傘下の労組および非政府組織(NGO)は十三日、英国政府が四月二日にロンドンで主催する主要二十カ国・地域首脳会議(G20金融サミット)へ向けて、「人間を第一に」と題した政策提言を共同で発表しました。

 共同の提言に加わったNGOにはセーブ・ザ・チルドレンやオックスファムなどの国際援助団体が含まれています。数百万人が結集するTUCとこれらのNGOは「人間を第一に」「雇用を、正義を、気候変動対策を」のスローガンを掲げて、三月二十八日に共同のデモ行進をロンドンで実施することを呼びかけています。

 提言は、「現在の経済政策や機関は、高いレベルの貧困や不平等で傷つき、環境破壊の原因になってきた経済システムを監督してきた」「市場の美徳への妄信と不適切な公的規制、金融の無責任さが経済危機の中心問題だ。金融危機以前に世界中の人々は食料価格の高騰や不適切な生活必需サービス、気候変動の脅威にすでに苦しんでいた」「根本的変革が必要だ」と指摘しています。

 その上で、▽世界銀行や国際通貨基金(IMF)の根本的改革など経済の民主的統治▽人間らしい雇用と公的サービス▽国境を越えた資本流通管理を含め貧困国が自国の経済管理に責任を負えるようにするなど地球規模の貧困と不平等の終結▽環境に優しい経済づくり―を求めています。


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