2009年3月9日(月)「しんぶん赤旗」

西松建設献金 各党の態度


 西松建設からの偽装政治団体を通じた違法献金問題で各党の態度が問われています。この問題で、企業・団体献金の禁止と政党助成金の廃止を主張する唯一の政党・日本共産党の値打ちが光っています。

共産党 税金還流の構図追及

 五、六日の参院予算委員会。自民党や民主党の議員が、西松からの違法献金問題にまともに触れられないなか、まっさきに疑惑の構図を追及したのが日本共産党の小池晃議員でした。委員会室には緊張が走りました。

 ―一九九五年から二〇〇六年まで四億七千八百万円もの金が西松がつくった政治団体からの偽装献金として政界に流れた。

 ―偽装献金は年間一千億円近くの公共事業を受注していた西松からの税金の還流だった。

 ―公共事業受注企業からの献金禁止を提案した民主党にはより重い責任がある。

 これらについて、小沢一郎民主党代表が説明責任を果たしていないことと同時に、二階俊博経済産業相のパーティー券購入でも同じ疑惑の構図があることを明らかにしました。そして、麻生太郎首相に企業・団体献金にたいする認識をただすとともに、自民党本体も西松からの偽装献金を受け取っていた可能性を事実で示しました。

 共産党本部には「小池さんの国会質問は圧巻だった。小沢さんを追及した上で、政権党の二階大臣をただしたのはさすがです。カネに汚れていない共産党でなければ自公政権を倒せない」という声が寄せられました。

 同日夜の民放報道番組は小池氏の追及を大きくとりあげました。

民主党 小沢代表を全面擁護

 民主党の小沢代表は「やましいところはない」として、「法律的にも政治的にも不公正な捜査だ」と検察批判を展開(四日の会見)。「(企業献金も)どこから受けたってかまわないが、すべて公開しろということ(だ)」と、企業・団体献金を当然視する姿勢を示しています。七日の会見でも「起訴されるとか、裁判で罪になったりするとか考えていない」と述べただけでした。

 鳩山由紀夫幹事長はじめ民主党幹部も、「西松とわかっていれば政党支部で計上した」「小沢代表は説明責任を果たした」(五日、平田健二参院幹事長)などと小沢氏を全面擁護しています。

 党内には「検察批判を党が一体となってやったらもたない」「早めに決断を」など、代表の辞任で事態の収拾を求める声が漏れますが、企業・団体献金の禁止を求める声はありません。

自民党 疑惑語らず開き直り

 自民党にも小沢氏と同様、偽装政治団体を通じて西松建設から違法献金を受けたと疑われる政治家が多数います。その中で、二階経産相、山口俊一首相補佐官、森喜朗元首相らは、疑惑には答えないまま献金の「返還」を表明。しかし、西松建設の偽装政治団体がすでに解散しており「返還」は困難です。

 六日の参院予算委で小池氏にこのことを指摘された二階経産相は「本来返す必要はないが、道義的にやはり返却する」などと意味不明の答弁をしました。

 麻生太郎首相は「基本的に企業、団体からの献金が悪と考えているわけではない」と開き直りました。



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