2009年3月5日(木)「しんぶん赤旗」

寒冷地の高齢者

外と室内 気温差なし

民医連が調査


 寒冷地の高齢者は外気温とあまり差がない室内で生活しているケースが多い―全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)の「寒冷地在宅患者への生活影響調査」でこんな実態が明らかになりました。


 民医連の北海道、東北六県など十三道県連の職員が一月五日から三十日までの間に訪問して聞き取り調査しました。四百七十九世帯から回答がありました。調査対象者の平均年齢は七十八歳。

 それによると室温一五度以下で生活している世帯が31%、二十度以下で生活している世帯が七割を占めました。一五度以下の世帯では外気温との差が五・三度しかなく、外気温と同じような環境での生活を余儀なくされているとしています。

 青森県の七十二歳の一人暮らしの女性宅は外気温四度で室内温度が零度でした。こうした事例について、調査員の報告は「上着、下着とも五枚着てしのいでいるが、動きにくくよく転倒している」「部屋はいつも寒々としている。布団から出ることがなく、身体機能が低下、寝たきり状態になった」としています。

 また「暖房の時間を減らしている」と大多数の世帯で節約している実態も明らかになりました。

 三日の記者会見で結果を発表した湯浅健夫・全日本民医連事務局次長は、「国は寒冷地を中心とした世帯の実態を調査すべきだ。暖房費助成事業は生活保護世帯、住民税非課税世帯にはもれなく支給される必要がある。施策強化を要望したい」とのべました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp