2009年2月25日(水)「しんぶん赤旗」

自衛隊イラク派兵差止訴訟

「平和的生存権は基本的人権」

岡山地裁 賠償請求は棄却


 岡山自衛隊イラク派兵差止第三次訴訟の判決が二十四日、岡山地裁(近下秀明裁判長)でありました。

 判決は、派兵で平和的生存権を侵害されたとする原告の訴えを「損害賠償請求を認めるに足りる法益侵害を生じたということはできない」と棄却。しかし、「平和的生存権は憲法上の『権利』」と認めました。平和的生存権は「基本的人権として承認すべき」とし、「徴兵拒絶権、良心的兵役拒絶権、軍需労働拒絶権などの自由権的基本権として存在し」、これが侵害された場合は「損害賠償を請求できる」と認めました。

 判決を受け「自衛隊イラク派兵差止訴訟おかやまの会」と、同岡山弁護団、同訴訟弁護団全国連絡会は、「この判決により、平和的生存権の具体的権利性はまさにゆるぎないものとなった」と声明を発表。判決が違憲性の言及をさけたことを、「違憲立法審査権を果たすべき役割から逃避した」と批判しました。

 岡山弁護団の清水善朗弁護士は、良心的兵役拒絶権などを認めた判決について、「自衛隊員が戦闘行為を拒否することも、平和的生存権として行使できることを認めたもの」と語り、河原昭文弁護団長は「平和的生存権では一歩も、二歩も前進した判決」とのべました。

 矢山有作原告団長は「一歩前進。しかし、国の行為が憲法違反だと、はっきりすべきだ」と語りました。



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