2009年2月19日(木)「しんぶん赤旗」

大臣辞任・国会混乱

政府・与党 謝罪なし


 中川昭一前財務・金融相の辞任に対する麻生太郎首相の説明もおわびもないまま、自民、公明両党が、野党との合意もなく、一方的に質疑を行った十八日の衆院予算委員会。与党議員は「欠席する野党の態度に猛省を促したい」(自民党の三ツ林隆志議員)、「質問できる時間があるのに野党がいないのはもったいない」(公明党の丸谷佳織議員)などと主張しました。

 予算案審議中に、担当の財務相が辞任するという前代未聞の事態で、国会を混乱させた政府・与党の責任を棚に上げ、野党に批判の矛先を向けるとは、本末転倒です。

 十七日午前の国会混乱はひとえに政府・与党が作り出したものです。同日は、中川氏の出席が必要な衆院予算委員会(午前九時から)と参院財政金融委員会(午前十時から)がそれぞれ予定されていました。ところが、閣議が終わった午前八時半すぎ、中川氏は検査と称して、国会の了承も得ず、病院に直行。委員会は取りやめになりました。

 また、十七日の午後一時からの衆院予算委員会は、公務員改革の集中審議を首相出席のもとで行う重要な場で、テレビ中継も予定されていました。しかし、その三十分前に、突然中川財務相が予算案の衆院通過後に辞任すると会見したのです。「辞任表明した大臣が責任ある答弁をできるのか」と日本共産党など野党は委員会を欠席。それでも与党は開会を強行し、自民、公明議員だけが質問しました。

 十七日夜に、中川氏は財務・金融相を辞任。当初予算案の審議中に財務相(蔵相)が辞任したのは戦後初めてという異常事態です。

 野党は「異常事態に対する首相の説明がなければ、出席できない」と主張したものの、衛藤征士郎予算委員長(自民)は十八日の開会を一方的に宣言しました。

 予算委員会の冒頭、河村建夫官房長官は「担当大臣たる財務大臣の交代という事態に至ったことはまことに申し訳ない」と述べましたが、国会を混乱させたことへの謝罪は一切ありませんでした。(小林拓也)


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