2009年2月11日(水)「しんぶん赤旗」

中国の干ばつ

冬小麦45%に被害

政府 給水や人工降雨も


 【北京=山田俊英】中国政府干ばつ対策総指揮部秘書長の鄂竟平(がくきょうへい)水利省次官は十日、北京で記者会見し、干ばつ被害を受けた冬小麦が耕作面積の45%にのぼることを明らかにしました。政府は、電動ポンプの配置や、人民解放軍など千三百万人を動員した給水、人工降雨作戦で被害を最小限に食い止めたいとしています。

 干ばつは北部の河北省から沿岸中部の江蘇省、内陸の甘粛省まで八省に広がり、被害面積の29%で苗が黄色くなったり、枯死しています。

 温家宝首相は七、八の両日、小麦の生産量が全国の四分の一を占める河南省を視察し、干ばつ対策を当面の経済運営の「重点中の重点」とするよう幹部に指示しました。同省で開いた対策会議で温首相は、国際金融危機のなかで食料の増産と農民の所得増は「食料安全保障だけでなく内需拡大政策にかかわる」と強調しました。

 鄂次官によると、被災地では八十―百日間雨が降らず、「三十年から五十年に一度の干ばつ」になっています。それに加え、多くの水利施設が一九五〇―六〇年代製で老朽化しています。

 これまでに中国政府は中央財政から四億元(約五十二億円)を緊急支出しました。電動ポンプで導水するほか給水車を派遣。雲が出てきた地域上空にはロケット弾や軍用機で化学物質を散布し、雨を降らせました。干ばつ対策総指揮部では被害面積の60%に給水できたといいます。

 ただ、雨が降らない天候は今後も続くと予想され、温首相は「干ばつ対策と増産はいっそう難しくなっている」と厳しい見通しを明らかにしました。


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