2009年2月10日(火)「しんぶん赤旗」

日産、2万人削減へ

剰余金は3・3兆円


 日産自動車(カルロス・ゴーン社長)は九日、二〇〇九年度中に世界のグループ従業員の一割弱に当たる二万人(うち国内一万二千人)を削減すると発表しました。

 ゴーン社長は一九九九年に発表した再建計画「日産リバイバルプラン」で、世界で二万一千人の削減を打ち出し、従業員にしわ寄せする形で「V字型回復」を図りました。今回はそれに次ぐ人員削減規模となります。

 国内で対象となるのは、日産本体のほか関連会社や販売子会社で、内訳は正社員四千人、非正規従業員八千人としています。

 日産自動車は同日、世界経済の悪化に伴う自動車市場の低迷を理由に、〇九年三月期の連結業績予想を下方修正。本業のもうけを示す営業損益が千八百億円の赤字(従来予想は二千七百億円の黒字)へ転落すると発表しました。純損益は二千六百五十億円の赤字(従来予想は千六百億円の黒字)を見込んでいます。期末配当は見送るとしていますが、中間配当ですでに一株当たり十一円の配当を実施しています。

 一方、同日発表した〇八年四―十二月期連結業績によると、十二月末現在で剰余金(利益剰余金と資本剰余金)は約三・三兆円あります。雇用を維持する体力はあるのに、「赤字予想」をもとに、人減らし・リストラの規模を競い、短期的な「収益改善」を図ることは、いっそうの雇用悪化を招き、景気悪化をさらに加速させることになります。



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