2009年2月8日(日)「しんぶん赤旗」


NHK「語る会」注文相次ぐ

公平な放送を 経営委公開して


 七日の「視聴者のみなさまと語る会〜NHK経営委員とともにin東京」には、市民ら五十二人が参加し、二十三人が発言しました。NHKから小丸成洋経営委員長、福地茂雄会長が初めて出席しました。

総裁選報道

 公平な放送を求める声が上がりました。自民党総裁選報道について、三千件以上寄せられ、「好評」は百七十七件、厳しい意見が二千七百五十六件でした。「ホームページでは好評意見は九行にわたって紹介したのに厳しい意見は四行だけ。恣意(しい)的に視聴者意見のいいとこどり。批判的な意見も謙虚に受け止めてほしい」

 これに対し小丸委員長は「経営委員会は番組内容に対して立ち入ることはできないが、正確で公平、自主自立、不偏不党というのは同じ気持ち。まっとうしなければならない」と答えました。視聴者の声についてはNHK執行部から「視聴者の声は経営の指針になる」という答えが出ました。

 ETV番組改変問題では、編集権を盾に現場を規制しているのではという危ぐの声が相次ぎました。特に、小林英明経営委員が昨年の最高裁判決を受けて、経営委員会で「放送の現場が独走しないよう、会長はしっかりと」と発言したことに対して、「判決のどこに“放送現場の独走”などと書いた部分があるのか」など、批判の声が続きました。これに対するNHKの答えはありませんでした。

委員長選考

 経営委員会のあり方で意見が相次ぎました。

 一昨年、前経営委員長の古森重隆氏が委員長に正式決定する前に「内定」の新聞記事が出たことについて質問が出ました。放送法では経営委員長は委員の互選で選ぶと定められているため、「政治の介入があるのではないか。(違うなら)なぜ抗議しないのか」という声が上がりました。

 経営委員会の議事録の全面公開を要求する意見も出ました。「経営委員のみの会合が公開されていない」「内容を取捨選択して発表するのでは意味がない」「監査委員の打ち合わせ内容も公開してほしい」などです。

 小林経営委員は議事録公開について、「(すべて公開すれば)発言を控える傾向も出てくる。支障のないものをなるべくすべて記載する」とのべました。


参加者の意見から

◆2011年のアナログ放送停波について 「社会情勢を見ながらデジタルとアナログを併存してはどうか」

◆経営計画の「構造改革…効率的な体制で」の項目に 「再放送が多い。番組をつくる方向にお金がいってないのでは。構造改革というものに疑問を持っている」

◆視覚障害者 「外国人の話に字幕だけだと分からない。音声をつけて。地デジで、視覚障害者も使えるリモコンを増やして」

◆経営委員長と会長 「財界から来ているというのに違和感。ジャーナリズムに造詣の深い方が委員長を務めるべきではないか」


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