2009年2月7日(土)「しんぶん赤旗」

米海兵隊グアム移転の日本負担

戦闘基地建設にも

赤嶺議員に防衛省が答弁


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(写真)浜田防衛相、中曽根外相らに質問する赤嶺政賢議員=6日、衆院予算委

 沖縄の米海兵隊のグアム移転に関して、海兵隊の航空戦闘部隊の基地建設などのために、日本政府が直接、財政負担する計画であることが六日分かりました。日本共産党の赤嶺政賢議員が衆院予算委員会で行った質問に、防衛省の高見沢将林防衛政策局長が答弁しました。赤嶺氏は「これまでの政府の説明と異なる。外国軍隊の基地を海外で強化するために国民の税金を投入することは許されない」と批判しました。

 日本政府はこれまで、日本側の財政支出で行うのは、司令部庁舎、住宅、学校などの施設建設で、「実戦部隊用の作戦運用施設は(費用)分担しない」と説明していました。

 高見沢防衛政策局長は、海兵隊移転のために、グアム島北部のアンダーセン空軍基地で「海兵隊と一体となって運用される航空運用部隊の施設整備が必要」であり、「日本政府として基盤整備事業を行う」と答弁。同島西部の米海軍のアプラ港でも基盤整備を行うことを明らかにしました。

 赤嶺氏はアンダーセン空軍基地での基盤整備について「航空戦闘部隊のための基地建設そのものだ」と批判。さらに、アプラ港は高速輸送艇や強襲揚陸艦が着岸する基地であることも指摘し、「グアムをハワイ、沖縄と並ぶハブ基地として増強しようとする米政府の計画の一部を担おうとするものだ」「経済が冷えきり、雇用が崩壊するなか、米軍基地強化のための血税投入は絶対に認められない」と述べました。

グアム新基地協定で日米合意

17日外相会談で署名

 日米両政府は六日、在沖縄米海兵隊八千人のグアム「移転」に関する協定について、中曽根弘文外相と初来日するクリントン国務長官との十七日の会談の際に署名することで合意しました。

 二〇〇六年五月の在日米軍再編に関する日米合意(ロードマップ)では、グアムでの海兵隊新基地建設費用の約六割となる六十一億ドルを負担することになっており、来年度予算案に建設費が初計上されました。

 両政府は米軍再編の推進を日米同盟強化の最重要課題と位置づけています。クリントン長官の就任後最初の外遊となる来日時に署名することで、グアム「移転」とパッケージになっている沖縄本島北部名護市沖の海兵隊新基地建設への執念を示す狙いです。


16日から訪日

 【ワシントン=小林俊哉】クリントン米国務長官は就任後初の外遊として、十五日から二十二日にかけて、日本などアジア四カ国を訪問します。米国務省が五日、発表しました。

 日本訪問は十六日から十八日まで。麻生太郎首相、中曽根弘文外相らと会談します。

 十八日からインドネシア、十九日から韓国、二十日から中国をそれぞれ訪れ、政府高官と会談します。



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