2009年2月2日(月)「しんぶん赤旗」

アイヌは北海道だけのことではない

生活支援策実現を

首都圏の有志 切実な声届ける

紙議員と懇談


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(写真)アイヌ・ウタリ連絡会の人たちと懇談する紙智子議員(右)=1日、都内

 国のアイヌ政策の転換をめざす動きがすすむなか、首都圏に住むアイヌでつくる「アイヌ・ウタリ連絡会」(丸子美記子代表)の有志が一日、日本共産党の紙智子参院議員と都内で懇談し、民族の権利回復に向けた切実な要求を伝えました。

 同連絡会は、昨年六月に衆参両院で議決された「アイヌを先住民族と認める国会決議」に向け、署名活動や議員へのアンケート活動をするなど、大きな役割を果たしました。

 丸子さんは、差別など厳しい環境から首都圏に移住し暮らしているアイヌが多数いるにもかかわらず、「『アイヌは北海道だけ、道外にはいない』として、北海道で行われている不十分な支援策からさえ私たちは切り捨てられてきた」とのべ、国の制度としてアイヌ政策を進める必要性を強調しました。

 敗戦時の緊急引き揚げ命令で北海道に移らされたカラフトアイヌの女性は「高齢を迎えたアイヌが『里帰りしたい』という夢の実現に、国は責任を果たすべきだ」と訴えました。長年底辺の生活を強いられ、無年金や著しく年金の少ない人が多いことなど生活への不安が強く出されました。アイヌ古老への特別給付金、文化伝承のための国有林の利用、アイヌ子弟への奨学金などを求める声も出されました。

 紙議員は「先住民族としてのアイヌの権利をいまこそ確立するため、国民的理解を広げ、実効ある施策の実現へ、みなさんと力を合わせてがんばりたい」とのべました。


 首都圏在住アイヌ 公的な調査では、アイヌ人口は北海道内二万四千人弱、東京都内約二千七百人(アイヌであることを本人が否定する人を除く)とされます。実際には、首都圏には一万人ともいわれる多数のアイヌが居住していますが、道外在住のアイヌには、生活支援の施策は一切ありません。


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