2009年2月1日(日)「しんぶん赤旗」

福祉棚上げ開発狙う

自治労連など 道州制シンポ


 政府・財界が「究極の構造改革」としてすすめようとしている「道州制」を考えるシンポジウム「道州制・地方分権改革の狙いと地方自治のゆくえ」が三十日、東京都内で開かれました。自治労連・地方自治問題研究機構と自治労連、同関東甲越ブロックの共催です。

 田中章史・研究機構事務局長(自治労連副委員長)が研究機構発足十周年に当たり、各地でシンポなどを開いていくとあいさつ。行方久生・山形大学教授の司会で三人のパネリストが討論しました。

 渡辺治・一橋大学教授は、道州制が「構造改革」をすすめる諸派の一致点と指摘。道州制で公務員の削減や市町村合併の推進などが「芋づる」式にでき、州内の大規模開発や、地方にのみ社会保障を担わせる「小さな政府」を実現しようとしているとのべました。

 岡田知弘・京都大学教授は、巨大インフラ整備で外資系企業を誘致できるようになるとする財界の道州制論が経済主義的な発想で、国民・社会的視点を欠いていると批判。「小さいからこそ輝く自治体」という政策論や実践を対置していく必要性を語りました。

 三橋良士明・静岡大学教授は、すすめられてきた地方分権改革について、国・自治体の本来的任務である人権保障ということが棚上げされ、自治体の「自己責任」が強調されていると指摘。基礎自治体、広域自治体である都道府県、国のあり方が問われているとのべました。


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