2009年1月26日(月)「しんぶん赤旗」

主張

政党助成金

血税の分け取り反省ないのか


 自民、公明、民主などの各党が、二〇〇九年分の政党助成金の交付を申請しました。各党への交付額は、自民党が百五十七億三千三百万円、民主党が百十八億三千二百万円、公明党が二十七億二千五百万円などと見込まれています。日本共産党は政党助成金の受け取りを拒否し、制度そのものの廃止を求めています。

 政党助成金は国民の税金でまかなわれるものです。深刻な金融・経済危機が国民生活を脅かすなか、暮らしにこと欠く人もふえています。国民の血税を分け取りして、政党助成金を受け取っている党は恥ずかしくないのでしょうか。

思想信条の自由を侵す

 国庫から交付される政党助成金の総額は、国民一人当たり二百五十円に直近の国勢調査の人口をかけて計算します。二〇〇五年の国勢調査にもとづくと年間約三百十九億四千万円に上ります。

 配分の対象は国会議員が五人以上か国政選挙での得票率が2%以上の党で、政党として届け出、交付を申請すれば、議員数と得票数に応じて配分されます。二〇〇九年は、自民、民主、公明、社民、国民新、新党日本、改革クラブの七つの党が申請しました。

 もともと国民がどの政党を支持し、あるいは支持しないかは自由で、支持政党にかかわりなく国民の税金を各党に配分する政党助成金は、国民の思想・信条の自由を侵すものです。思想・信条の自由を保障するなら、政党助成金は廃止するしかありません。

 本来政党の政治資金は国民との結びつきを通じて自主的につくるべきものです。政党助成金は政党の側から見ても本来のあり方に反し、国民との結びつきを弱め国民軽視の政治を助長することになります。助成金の配分が少数政党を除外し、政治活動の自由を侵害する危険を持つことも重大です。

 政党助成金は一九九五年から腐敗政治の温床と批判が強い企業・団体献金の禁止を名目に導入されました。しかし実際には多くの政党が企業・団体献金も政党助成金も受け取っており、二〇〇七年の政治資金収支報告でも、自民党は収入のうち企業・団体献金が12・4%で政党助成金が65・6%、民主党は政党助成金が84・2%を占めるというありさまです。

 導入以来十数年にわたって企業・団体献金の廃止が実行されていないことからも政党助成金を続ける根拠はなくなっています。

 南米のボリビアでは昨年、政党助成金を廃止し、その分は障害者支援の基金にあてることを決定しました。ボリビアにできて日本にできないはずはありません。政党助成金の廃止に踏み出すことこそ、いま求められています。

廃止し国民向けの対策に

 だいたい、深刻な財政破綻(はたん)「や経済危機のなかで、何が何でも政党助成金だけは続けるという考えが間違っています。さすがに政府の一部からも金額を削減するという声が出ていますが、削減でごまかさず全面的に廃止すべきです。

 政党助成金の三百二十億円があれば、たとえば障害者「自立」支援法にもとづく障害者の「応益負担」を撤廃することができます。政党助成金を廃止し、国民の暮らしを守る財源に回すことこそ政治の責任です。税金の分け取りを続けるかどうかは、各党の姿勢が問われる重大問題です。


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