2009年1月15日(木)「しんぶん赤旗」

西松関連の2政治団体

政界に約5億円

裏金との関係は?


 準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の裏金疑惑で、海外担当の元副社長らが十四日、逮捕されましたが、同社ОBが設立した二つの政治団体の存在が注目されています。東京地検特捜部は、政界にカネを配っていたこの二政治団体の関係先の捜索も昨年十一月に行っています。


 この政治団体は、「新政治問題研究会」と、「未来産業研究会」。ともに、西松建設の営業管理部長を務めたOBが設立したもので、事務所は東京都千代田区平河町のビルの同じ部屋です。

 「新政治問題研究会」は一九九五年十一月一日の設立で、故橋本龍太郎元首相の資金管理団体と同じ名前です。一方、「未来産業研究会」は、九九年六月三日の設立で、故小渕恵三元首相の資金管理団体と同名です。新政治問題研究会は二〇〇六年十二月十五日に解散していますが、未来産業研究会は、それより半月はやい同年十一月三十日に解散しました。

 新政治問題研究会は、昨年十二月二十一日付既報のように、政界に十年以上にわたって四億円を超すカネをばらまいていました。未来産業研究会も九九―〇六年の八年間で、政治家や自民党派閥などの資金集めのパーティー券購入や、政党、政治家への「寄付金」など、五千百万円以上を政界に配っています。二団体をあわせると、約四億八千万円にのぼる政治献金が行われていたことになります。

 未来産業研究会の政治資金収支報告書が総務省に保存されている〇五年と〇六年の二年分によると、突出しているのは、自民党の二階俊博経済産業相が率いる「二階グループ」に三百二十二万円、民主党の小沢一郎代表に三百万円、民主党岩手県連に二百万円です。

 このほか、藤井孝男元運輸相四十万円、川崎二郎元運輸相二十万円、古賀誠自民党選対委員長十六万円など。

 新政治問題研究会同様、大分県の広瀬勝貞知事、静岡県の石川嘉延知事に各五十万円、大阪市吹田市の阪口善雄市長に三十万円も。

 こうした政界に配ったカネの原資は、毎年百人前後の会費と、年三―四回開催した「フォーラム日本21」という名目のパーティー券収入です。毎年六百万円前後の収入があるパーティー券収入ですが、購入者はいっさい不明です。

 新政治問題研究会も年間三千万―八千二百万円におよぶ会費と、毎年六百万円前後の収入があったパーティー券収入の詳細は、不明でした。

 西松建設が海外事業でねん出した多額の裏金の一部が、両政治団体を隠れみのにした献金の原資になったとされており、今後の進展が注目されます。



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