2009年1月15日(木)「しんぶん赤旗」
貧困層200万人減る
ベネズエラ 革新政権10年
年次報告
【メキシコ市=島田峰隆】南米ベネズエラのチャベス大統領は十三日、昨年一年の政府の活動をまとめた年次報告書を国会に提出しました。同大統領が一九九九年に就任してからの十年間で貧困層が二百万人以上減るなど、国民生活が大きく改善しました。
チャベス大統領は演説で、豊かな石油資源からの収入を活用して国民向けに無償の医療や教育を提供してきたことを強調。「これらの前進は十年間の革命が続けている真剣な努力の成果だ」と語りました。
報告書によると、チャベス政権のもと、反政府派による石油産業ストの影響で貧困世帯は一時55%に上りましたが、現在は26%(約七百二十万人)に低下。八〇年代から九〇年代にかけて20%以上だった極貧世帯は7%になりました。
チャベス政権は二〇〇三年から、キューバの支援を受けて全国で無料の医療診察を続けています。歯科の診察回数でみると、昨年は平均して住民千人につき年に三百六十五回の診察をおこなうまでに普及しました。政権発足時に千人につき二十一・四人だった乳幼児死亡率は、十三・四人に改善しました。
全世帯の約63%が、政府の補助を受けて生活必需品を市場価格よりも大幅に安く販売する「人民の家」を活用しているといいます。
チャベス大統領は、最新の国連報告でベネズエラの「人間開発指数」が百七十九カ国中六十一番目になったと紹介しました。「人間開発指数」は、一人当たりの国内総生産(GDP)、平均寿命、識字率、就学率などを基本にして指数化したものです。