2009年1月12日(月)「しんぶん赤旗」

主張

成人の日

みんな人間らしく働きたい


 きょうは「成人の日」です。

 これから進路を決める学生のみなさん、すでに働いているみなさんが、今年のように、「働く」ことへの不安を抱え、「成人の日」を迎えたことは、かつてなかったことではないでしょうか。

希望ある連帯の流れ

 年末年始、注目を集めた東京・日比谷公園の「年越し派遣村」にも、仕事と住居を失った若者の姿がありました。景気悪化を理由に、トヨタ、キヤノンなどトップ企業が率先して大規模な首切りをおしすすめています。正社員のリストラや学生の就職内定取り消しも相次いでいます。

 非正規社員からこれまでさんざんしぼりあげ、トヨタ自動車一社でも内部留保が十四兆円にのぼるなど空前の利益をためこんできたのに、景気悪化となるや真っ先に大規模に「雇い止め」にし、路頭に迷わす―こんなことは人道上許されません。財界いいなりに法律を改悪し、非正規雇用を増やし続け、今日の事態を招いた自民・公明の政治の責任もきびしく問われなくてはなりません。

 「ついに労働者が立ち上がりました」。派遣・期間工千四百人全員の解雇を発表したいすゞ自動車で、「正社員になりたい」と必死に働いていた派遣・期間工のみなさんがやむにやまれぬ思いで労働組合をつくった昨年十二月、NHKがトップニュースで報じました。

 生まれたばかりのこの組合が、いすゞ自動車に契約途中の期間工の解雇を撤回させたニュースも、大きく報じられました。

 「働く者は、労働組合をつくり、働く条件について、経営者と対等平等に交渉できる。経営者が労働組合を無視して横暴勝手をふるうことは許されない」―憲法にもうたわれた、働くものの大切な権利です。いま、全国各地で若者が「人間らしく働きたい」と声をあげ、労働組合をつくり、労働組合に加わり、大企業の横暴勝手にたちはだかりつつあることは、希望ある流れです。

 「仕事がないのは自分の責任」―若いみなさんを苦しめてきた「自己責任」論を叫び続けてきたのは、若者の願いを押さえ込み、競争に駆り立てることで、空前のもうけをあげてきた財界・大企業です。若いみなさんが、「人間らしく働きたい」という切実な願いの実現へ、労働組合をつくり、それに加わり、社会的連帯を広げるとりくみを、大いに発展させようではありませんか。

総選挙が行われる年に

 今年は衆議院議員選挙の年です。「人間らしく働きたい」という若者の願いにこたえる政治に変えるかどうかは、重大な争点です。主権者である新成人のみなさんの「一票」が政治を動かします。

 日本共産党は、使い捨ての非正規雇用をまん延させた一九九九年の労働者派遣原則自由化に反対したただ一つの政党です。今日の大量解雇にたいしても、日本経団連、トヨタ自動車などと会談し、大企業が雇用を守る社会的責任を果たすよう、事実と道理をつくして訴えてきました。全国二万二千の党支部が、草の根で、若いみなさんの願いに耳をかたむけ、その実現をめざしています。

 「人間らしく働きたい」―若者の切実な願いの実現へ、そして「ルールある経済社会」をめざし、日本共産党は力をつくしていきます。


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