2008年12月27日(土)「しんぶん赤旗」

すき家を刑事告訴

労働時間改ざん・賃金未払い

労基署に青年ユニオン組合員

長野・岡谷


 大手牛丼チェーン店「すき家」で働いていた男性が労働時間の改ざん、賃金の過少払いの是正を求めて二十六日、長野県の岡谷労働基準監督署に、経営母体のゼンショー(本社・東京都港区)と同社の小川賢太郎社長を、労働基準法違反で刑事告訴しました。労基署は司法警察権限を有しています。


 訴えたのは首都圏青年ユニオン組合員の土橋嘉浩さん(38)で、告訴後に県庁内で記者会見しました。

 土橋さんは二〇〇六年五月から今年五月まで岡谷若宮店に勤務。今回の告訴対象は、勤怠表で確認できる六カ月間(〇七年十月一日から今年三月末日まで)の未払い賃金四十万二千七百九十四円です。

 「すき家」では従業員が毎日、直筆で出勤時間を勤怠表に書き込み、店側が本社にファクスで送信します。

 しかし、土橋さんは、記入した勤怠表の時間より、六カ月間で三百五十七時間も少ない分の賃金しか支払われませんでした。

 会見に同席した首都圏青年ユニオンの河添誠書記長は、「会社側が実際に働いた労働時間を短く改ざんして、賃金を意図的に減らしたと思われます。全国的にも珍しいケースだ」と指摘しました。

 代理人の佐々木亮弁護士は、「時間ドロボウというべきもので、きわめて悪質で刑事告訴が相当だ」と述べました。

 土橋さんは、「私は『すき家』が好きで働きはじめました。今でも好きです。働く者が気持ちよく仕事ができるようにしたい。そのために告訴に踏み切った」と話しました。

 土橋さんは直接、会社側と交渉していませんが、これまで数回、労基署に相談に出向いています。しかし、まったく改善されず、現在は新たな飲食店でアルバイトを始めています。

 「すき家」については四月、仙台泉店の従業員三人が賃金の未払いを理由に仙台労基署に刑事告訴。同署は今月十日、仙台地検に書類送検しています。



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