2008年12月18日(木)「しんぶん赤旗」

米抜き初の首脳会議

中南米カリブ海３３カ国

キューバ参加 変化うきぼり

ブラジルで開幕

　【メキシコ市＝島田峰隆】中南米カリブ海地域の三十三カ国の首脳が一堂に会する初の「中南米カリブ海諸国首脳会議」が十六日、ブラジル北東部の都市コスタドサウイペで開幕しました。これまでこうした会議は米国が中心となり、キューバを排除していました。今回はキューバを含めた三十三カ国が「米国や欧州諸国の参加抜きで行う初の会議」（ロイター通信）。米国から自立した地域統合を強める中南米の変化をうきぼりにするものとなりました。

　会議はブラジルのルラ大統領が提案。十七日までの日程で、南部共同市場（メルコスル）、南米諸国連合（ＵＮＡＳＵＲ）、リオグループの首脳会議も開かれました。一連の会議には、初の外国歴訪中のキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が参加しています。

　ルラ大統領は開幕演説で、「中南米カリブ海諸国は、多極的かつ多国間の国際経済、政治の新しい枠組みをつくるために、重要な役割を担っている」「われわれは国際舞台の単なる観客ではなく主人公になることを望む」と語りました。

　ベネズエラのチャベス大統領は記者会見で、米国の圧力で孤立させられてきたキューバが参加した意義を強調。「もはや米国が中南米カリブ海地域に命令する存在でないことを示した」「米国の覇権は終わった」と述べました。

　十六日のＵＮＡＳＵＲ首脳会議は、ブラジルが提案していた南米独自の安全保障機構「南米防衛理事会」の創設を承認。今後、米国抜きで南米諸国同士が協力する安保機構が具体化されます。

　ＵＮＡＳＵＲは「共同の医療政策の促進と協力」を目的とする「南米医療理事会」の創設も決めました。

　メルコスル首脳会議は同日、域内の中小零細企業向けの保証基金を創設することで一致しました。