2008年12月3日(水)「しんぶん赤旗」

宇宙基本計画「方向性」決定

軍事利用推進盛り込む


 政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生太郎首相)は二日、国会内で会合を開き、宇宙基本計画の「基本的な方向性」を正式に了承しました。今後の日本の宇宙開発利用について、「安全保障」の名目で防衛省による軍事利用の推進を検討するなど五項目を掲げ、従来の「技術開発」から「利用」重視に転換するとしています。

 同本部は今後、具体化を進め、来年五月を目標に宇宙基本計画を策定する予定です。

 会合では、開発が暗礁に乗り上げているGXロケット計画について、本格的開発に着手するかどうかの判断を、二〇一〇年度概算要求までに先送りすることも決定しました。

 GXロケットは、独自技術の開発と打ち上げビジネスへの民間支援を掲げて、官民共同で進めてきましたが、技術的見通し、需要や所要経費の見通しが得られず、検討が必要だとしました。今回、安全保障分野で使用する方向で、需要の見通しを得ることも決定しました。

 麻生首相は会合の冒頭、宇宙開発を「官民一体となって戦略的にやっていきたい」とあいさつしました。

「基本的な方向性」5項目と主な内容

(1)国民生活の向上(資源探査、気象観測、災害監視など)

(2)安全保障の強化(防衛省による宇宙利用、情報収集機能の拡充・強化、最先端技術の追求など)

(3)宇宙外交の推進(災害時の衛星画像提供、リーダーシップ発揮など)

(4)戦略的産業の育成(国内需要の顕在化、税制・金融上の措置、打ち上げ射場の整備など)

(5)宇宙科学研究の推進(月・惑星探査、天文学・工学研究、有人宇宙活動など)


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