2008年11月26日(水)「しんぶん赤旗」

キューバの米州機構復帰認めよ

米国に要求

ボリビア大統領


 【モンテビデオ=島田峰隆】南米ボリビアのモラレス大統領は二十三日、一九六二年以来、米国の圧力で米州機構(OAS)から排除されているキューバを復帰させるよう求めました。米国が認めない場合は、OASに代わる米国抜きの地域機構をつくるために国際的な働きかけを行うと語りました。

 ボリビア南部チュキサカ県で非識字を克服したことを祝う式典での演説で述べました。

 大統領は、キューバで開発された識字システムの支援を受けることで、ボリビアをはじめ中南米諸国で非識字克服が急速に進んでいることを紹介。「社会正義を持ち、人権である医療と教育を最優先にする国が米州機構から排除されていることは、理解できない」と米国を批判しました。

 モラレス大統領は、政府所在地ラパスで二十二日に行った記者会見でもキューバのOAS復帰を要求。ワシントンで開かれたOASの会議で各国大使と懇談した結果、キューバ復帰に反対している国は米国だけだと分かったと強調しました。

 中南米ではエクアドルやニカラグアも米国抜きの地域機構づくりを提唱しています。


 米州機構(OAS) 米州大陸の諸国が参加して一九五一年に発足した地域機構。正式加盟国は現在三十五。本部・ワシントン。「侵略に対する共同対処」を明記し、集団的自衛権を規定。六二年からキューバを資格停止するなど、米国による中南米支配の道具でしたが、近年は中南米諸国の自立傾向が強まっています。今年三月のコロンビアによるエクアドル国境侵犯を米国は弁護しましたが、OASは「主権侵害」と認定する決議を採択しました。


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