2008年11月18日(火)「しんぶん赤旗」
「君が代」不起立氏名収集は違法
教職員、県を提訴
神奈川
神奈川県教育委員会が県個人情報保護審議会・審査会の答申に反し、入学式、卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかった県立学校教職員の氏名収集を続けている問題で、同教職員十八人が十七日、県を相手取り今年の卒業式、入学式で県教育委員会が集めた情報の利用不停止決定の取り消しや経過説明書の抹消、損害賠償（一人百万円）を求めて横浜地裁に提訴しました。
訴状によると二〇〇七年十月、県個人情報保護審査会は県教委が集めた情報について、県個人情報保護条例で原則取り扱い禁止とされている思想信条に該当すると判断。県教委は情報を取り扱うために県個人情報保護審議会に諮問しましたが、〇八年一月、同審議会は県教委の氏名収集についての諮問を不適とする答申を行っています。ところが、県教委は氏名収集を継続し、強制をさらに強めています。
提訴後、横浜市内で開かれた記者会見で外山喜久男原告団長は、県教委が氏名収集を継続していることに「個人情報保護条例を無視し、二つの諮問機関を無視するという違法状態にある」と批判。原告弁護団の岡田尚団長は「個人情報をどのように保護するのか、本来、行政として扱うべきなのかということをきちんと問う裁判」だと強調しました。
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