2008年11月17日(月)「しんぶん赤旗」

G20首脳会議閉幕

金融規制強化で一致

IMF体制改革 新興国の声反映


 【ワシントン=小林俊哉】日米欧に新興国を加えた主要二十カ国・地域(G20)がワシントンで開いた金融サミット(金融市場と世界経済に関する首脳会議)は十五日、「宣言」と、当面(来年三月三十一日まで)および中期的に実行する「行動計画」を採択し、閉幕しました。経済の活性化、金融規制の強化、新興国の声を反映する国際金融体制改革の方向性などで合意しました。来年四月末までに第二回会合を持つことで一致しました。


 宣言は現在の危機の原因について「一部の先進国では政策立案者や規制・監督当局がリスクを適切に評価せず、それに対応しなかった」と指摘。“カジノ資本主義”の破たんの原因に規制のゆるさを挙げました。

 その上で「成長を回復し、新興国や途上国の経済への悪影響を防ぐ」ためには「さらに幅広い政策的対応が必要だ」と強調。各国が財政・金融政策を動員することや、貧困国への融資などでの国際通貨基金(IMF)の役割を強調しました。

 宣言は危機の再発防止に向け、「規制の枠組みを強化する改革を実行」すると強調し、▽透明性と説明責任の強化▽健全な規制の拡大▽金融市場における公正性の促進▽国際連携の強化▽国際金融機関の改革―の五原則を確認しました。

 規制の問題では、「すべての金融市場、商品、参加者が適切に規制され、監督の対象となる」ことが明記されました。ただ、投機集団ヘッジファンドの直接規制については踏み込みませんでした。

 IMFなどの国際金融機関については、「経済的比重の変化を適切に反映できるようブレトンウッズ体制の改革をすすめる」と指摘。「新興国や途上国の声がより反映されるべきだ」と運営の改善の必要性を盛り込みました。


 金融サミット 金融危機の克服に向け、対策を協議した緊急首脳会合。先進7カ国(G7)メンバーの日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダのほか、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、欧州連合(EU)を加えた20カ国・地域(G20)で構成します。G20の国内総生産(GDP)の合計は世界経済全体の8割強、人口で3分の2を占めます。



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