2008年11月13日(木)「しんぶん赤旗」

国境画定へ共同調査

タイ・カンボジアが外相会合


 【ハノイ=井上歩】クメール寺院遺跡プレアビヒア周辺などの国境紛争をめぐり、タイ・カンボジア両国は十二日、カンボジアのシエムレアプで紛争解決と国境画定をめざす共同国境委員会の外相会合を開きました。十日から二日間開かれた同委員会の政府代表協議で両国は、国境標識を共同調査することで一致しており、外相会談で正式に合意される見通しです。

 政府代表協議では、プレアビヒア遺跡周辺の地雷を共同して撤去していくことでも一致しました。

 領有権の主張が鋭く対立しているプレアビヒア周辺の約四・六平方キロメートルの国境未画定地域については共同での対応策を協議しています。

 カンボジアは国境画定にあたり、一九〇七年ごろにフランス・シャム条約に基づいてフランスが作成した地図の使用を主張。タイ側はその後米国の協力でつくられた地図の使用を求めているといいます。フランス作成の地図はプレアビヒア寺院をカンボジア領内としており、同寺院をカンボジア領とした国際司法裁判所判決(六二年)の根拠になりました。

 国境委員会は、国境での緊張を受けて七月末の両国外相会談で設置を決定。今回が初の開催となりました。


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