2008年10月29日(水)「しんぶん赤旗」

農水省が「修正」 事故米穀→事故品

食用売却推奨は変わらず

本紙報道うけて


 農水省が総合食料局長通知で事故米の食用売却を推奨していた問題=本紙二十五日付1面既報=をめぐり、同省が根拠となった「事故処理要領」の「一部改正」措置をとったことが、二十八日分かりました。「事故品」は「極力主食用に」の記述は変えていません。

 「物品(事業用)の事故処理要領の一部改正について」と題する総合食料局長名文書(二十七日付)によると、同要領について「事故米穀の不正流通問題を受け、全面的改正作業を行っているところであるが、明らかな誤記があることから、取り急ぎ、一部改正することとした」としています。

 「要領」では国産米、輸入米など政府保有の「事故品」は「極力主食用に充当する」としたうえで、主食用不適として認定した「事故米穀」までも、主食用として卸売業者に売却する手順も盛り込まれていました。

 農水省が今回、「誤記」としたのは、「事故米穀を主食用として売却する場合」と「事故米穀を原料とする生産精米」の二カ所の「事故米穀」を「事故品」に言い換えるという内容。

 農水省が業者と結ぶ輸入米穀買入委託契約書では「事故品」は食品衛生法違反を含むものとしており、事故米の食用売却推奨の実態は変わっていません。

 内閣府の事故米不正流通問題での有識者会議で、「事故処理要領」を説明した農水省は今回の「一部改正」した「誤記」についてはこれまでいっさい説明しておらず、本紙の報道を受けて、あわてて字句修正したものです。

 問題の局長通知は、日本共産党の紙智子参院議員が明るみにだした文書です。


その場しのぎ 国民不信招く

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 日本共産党の紙智子参院議員の話 「事故米穀を主食用として」という記述が「誤記」などというのはまったく疑問です。過去の食糧庁当時から、同じ文言が使われており、そのまま該当の文言が、今日に写しとられてきたものだからです。その場しのぎで、同省がうそを重ねることはますます国民の不信を招くことになると思います。


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