2008年10月27日(月)「しんぶん赤旗」

キリスト教徒への脅迫行為

約400家族がシリアに避難

イラク北部・モスル


 【カイロ=松本眞志】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は二十四日、イラク北部の都市モスル一帯に住む多くのキリスト教徒が何者かの脅迫により家を離れ、一部がシリアに逃れたと報告しました。

 ロイター電によると、UNHCRのレドモンド報道官は、電話や手紙による殺害の脅迫を受けたキリスト教徒の二千二百家族(約一万三千人)がモスル周辺、タミン州のキルクーク、クルド自治区のドホークやアルビル州に避難し、約四百家族がシリアに向かったと説明しました。

 脅迫行為については当初、国際テロ組織アルカイダとの関連を指摘する声もありましたが、イラク政府はこれを否定。レドモンド氏は「脅迫したのが誰かは明らかではない」と述べています。

 イラク紙アッザマンは、「だれがイラクのキリスト教徒を迫害しているのか?」と題する社説で、モスルを州都とするニネベ州の現状が、旧フセイン政権崩壊以降、クルド人武装民兵とキリスト教徒少数民族との係争の地であったことに着目しています。

 同じキリスト教徒のアッシリア人やカルデア人の間でも、古代の「アッシリア帝国」や「新バビロニア(カルデア)帝国」の復興を主張して反目しあい、それぞれイラクからの分離を主張する動きがあったことを指摘しています。


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