2008年10月23日(木)「しんぶん赤旗」

大銀行がサラ金を傘下に金利かせぎ 許される?


 〈問い〉最近、アコムやプロミスが大銀行グループ傘下にあることを知りました。提携はいつから? 税金の投入を受けた銀行がサラ金に金をだしていいのですか? (東京・一読者)

 〈答え〉大銀行は消費者金融(サラ金)を傘下におさめ、高金利を庶民に押しつけてきました。預金を預かり貸し付け・運用する銀行業は、国の営業許可が必要で、公的な責任を負っています。本来は銀行自身が庶民生活のニーズに応える小口金融を行うべきです。

 1970年代末ごろより銀行による消費者金融への資金供給が始まります。銀行は庶民への小口金融には背を向ける一方、サラ金に対してはノンバンク(銀行以外の金融会社)などを通じ、姿を隠して資金を出して荒稼ぎしました。サラ金の過酷な取り立てによる自殺、夜逃げ、一家心中などが社会問題となり、サラ金「規制」法等が成立(83年5月)、バックの銀行に対する社会的批判も高まりました。

 バブル崩壊後の90年代不況期、銀行とサラ金は、今度は公然と接近。超低金利時代の高利貸しでボロもうけをねらいます。小口金融をターゲットとする銀行にはサラ金のノウハウが必要で、世間の評判が低いサラ金には銀行の高い信用が魅力でした。大銀行は小泉「構造改革」でもうけ本位をいっそう加速し、三菱UFJグループはアコムと(04年3月)、三井住友グループはプロミスと(同年6月)資本提携に踏み出すなど、サラ金との一体化をすすめます。銀行自身もカードローンなど高金利の貸し付けに進出し、新たな顧客層の開拓に大々的にのり出します。大量の広告宣伝でサラ金は急速に浸透、生活苦から多重債務、ひいては自己破産に陥る人々が急増しました。

 一方、高金利を認める出資法の上限金利規制(29・2%)の見直し期限(04年から3年をメド)にむけ活発な議論が始まります。日本共産党は、上限金利の引き下げを求めるとともに、サラ金と癒着する大銀行を追及してきました。とくに当時の金融担当大臣から「銀行がサラ金業者と一緒に広告を出すのは不愉快」との発言を引き出したことは、業界への痛打となり、高金利引き下げを求める運動団体に歓迎されました(06年3月15日参院予算委員会・大門実紀史議員への答弁)。そして、ついに関係団体のねばり強い運動、国会議員の超党派の連携などを力に、上限金利引き下げが実現しました(06年12月)。

 日本共産党は、銀行の社会的な責任を追及するとともに、政府に対して多重債務者の救済策の充実、緊急時に庶民の生活をささえる貸付制度の拡充などを求め、国民本位の金融制度の確立をめざしています。(丸)

〔2008・10・23(木)〕


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