2008年10月23日(木)「しんぶん赤旗」

新銀行東京

追加出資の棄損も

金融庁検査で不良債権増か


 金融庁は二十一日、東京都が千四百億円を出資し、経営破たん状態に陥っている新銀行東京に検査結果を通知しました。同庁は、銀行法に基づき新銀行が提出する報告書を精査し、融資判断など管理体制に問題があれば業務改善命令などの行政処分を出す方針です。

 金融庁は五月から七月にかけて、同行の立ち入り検査を実施。貸出先の経営状況、多額の不良債権をだした融資の審査体制などを調べていました。

 新銀行側は「金融庁の検査結果については公表できない」としています。

 新銀行東京が二月に発表した再建計画は、来年三月期決算で百二十六億円の赤字を予想しています。しかし、金融庁の検査を受けて不良債権がふくらみ、都が追加出資した四百億円の一部を棄損する可能性も生じています。関係者からは「経済情勢が悪化する中、金融庁の検査結果をうけて不良債権がふくらめば、経営難に拍車がかかる」との声があがっています。

 新銀行東京は石原慎太郎都知事のトップダウンで都が一千億円を出資して、二〇〇五年四月に開業しましたが、今年三月期決算で千十六億円の累積赤字を計上。石原知事は四月、都民の反対を押し切って都議会自民党、公明党の賛成で四百億円を追加出資し、破たんを先送りしました。同行は九月、千十六億四千八百万円を減資したため、都が当初出資した一千億円のうち八百五十五億円が棄損する結果となりました。


 新銀行東京 石原慎太郎東京都知事が二〇〇三年の知事選で設立を公約。都が一千億円を出資し、〇四年四月に設立。石原銀行ともよばれています。出資には都議会の自民党、民主党、公明党などが賛成、日本共産党は強く反対しました。


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