2008年10月20日(月)「しんぶん赤旗」

未来奪回へ

垣根越え貧困なくそう

東京で大集会


 非人間的な労働から抜け出せず、働いても食べていけない社会のあり方に「黙っていられない」と十九日、「反貧困世直しイッキ! 大集会」が東京・明治公園で開かれました。労組や市民団体、弁護士などでつくる反貧困ネットワークが主催。二千人が集まりました。


 税金の軽減などを求め農民が決起した秩父困民党を模し、たすきとはちまき姿の主催者代表、宇都宮健児弁護士は、むしろ旗にペンキで「反貧困」と書いてアピール。「貧困を食い止め、人間らしく働ける社会を確立するのかが問われている。消費者、労働組合、社会保障など垣根を越えた運動が必要です」と開会を宣言しました。

 同ネットワーク副代表で作家の雨宮処凛さんは、むしろに「よこせ」と書き、「お金や尊厳、未来など奪われたものを取り戻すため、力を合わせよう」と呼びかけました。

 運動を広げようと三カ月間、全国を回ったキャラバンのメンバーがブラスバンドの演奏とともに登場し、各地で四百四十九団体が参加した取り組みを報告。

 国連の提起した「貧困撲滅のための国際デー」(十七日)に呼応し、参加者全員で「反貧困、世直し一揆」の掛け声で立ち上がり、青い集会プログラムを掲げてアピールしました。

 「国際協力を勉強するのに、まず国内問題に目を向けようと思って参加した」と言う大学二年生の女性(19)は、「高齢者や障害者、ホームレスなどさまざまな人がいますが、全員が幸せになれる社会をつくりたい」と語りました。

 集会では、「労働」など十二の分科会も行われました。

 参加者は集会後、都内をパレードしました。

志位委員長も参加し交流

 同集会には、日本共産党の志位和夫委員長も訪れ、参加者と交流しました。

 志位氏は、各分科会を回り、参加者の訴えにじっと耳を傾けました。会場を歩いていると、青年が駆け寄り握手を求めてきたり、一緒に記念写真に納まる姿もありました。

 志位氏は、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんをたずね、「ご苦労さまです。盛会ですね」と激励。湯浅氏は「ゆっくり楽しんでいってください」と応じました。

 宇都宮健児さん、雨宮処凛さん、笹森清さん(労働者福祉中央協議会会長)、河添誠さん(首都圏青年ユニオン書記長)ら呼びかけ人とも、にこやかにあいさつを交わしました。



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