2008年10月16日(木)「しんぶん赤旗」

情勢の進展のなかで輝きをます党の値打ちに確信をもちひきつづく猛奮闘で総選挙勝利のチャンスを現実のものにしよう

2008年10月15日 日本共産党中央委員会総選挙闘争本部


 日本共産党中央委員会総選挙闘争本部は十五日、総選挙勝利を目指すアピールを発表しました。


(1)

 解散・総選挙をめぐる状況は、自民党総裁選で弾みをつけ、正体をかくしたままで冒頭解散をはかるという与党側の党略的思惑が崩れて、もっとも早い総選挙の可能性とされていた「十月十四日公示、二十六日投票」はなくなり、解散の時期はきわめて流動的になっています。

 こうした状況のもとで、政党配置の構図と、日本共産党の値打ちが、いよいよ鮮明になりつつあります。

 「自民か、民主か」というキャンペーンが強められていますが、今日の政治のゆきづまりの根源にあるのは、大企業中心・アメリカいいなりという「二つの政治悪」です。「自民か、民主か」といっても、自民党はそもそもこの政治悪の担い手であり、民主党も同じ土俵にあってこれを正し、打開する立場をもたないため、国会論戦が進めば進むほど、両党のそれぞれが、国民の切実な願いからかけ離れ、党略的な対応に陥っています。

 自民党は、冒頭解散の戦略が狂い、解散をずるずると引き延ばす作戦にでています。しかし、ゆきづまった政治路線を打開する意思も方策もありません。それは、わが党の国会質問に対する答弁でも浮き彫りになりました。また「日本をどうするか」という自らの主張はまともにのべないまま、民主党への「攻撃」に終始しています。政権党として、文字どおり末期的な状況を示すものです。

 民主党も、「早期解散」のもくろみがはずれてしまいました。しかし、だからといって論戦で追い詰めて解散へという立場もありません。自民党からの「攻撃」に「反撃」する立場さえなく、「解散を請い願う」という異常な党略的対応をはじめました。「後期高齢者医療制度」の存続を前提とする補正予算案に、討論もせず賛成したばかりか、海外派兵法の延長については本会議での審議をとりやめ、委員会でまともな審議もせずに採決することを求めました。海外派兵法にたいする対応は、「政権をとっても変わらないから安心してくれ」という米国へのメッセージであり、米国に媚(こび)を売る態度にほかなりません。この党に「二つの政治悪」を正す立場がないことが、いよいよ浮き彫りになりました。

 このように論戦が進むにしたがって、「二大政党」なるものの正体が、たいへんわかりやすく、みえやすくなっています。そして、それとはまったく対照的に、わが党の政治的立場がいよいよ光ってきました。

 国民の切実な要求から出発して、「政治の中身を変える」「二つの政治悪を大本から正す」という立場での論戦を、堂々と正面からおこなっているのは日本共産党しかありません。自民、民主が、国民不在の党略に終始しているもとで、わが党は、国民の立場にたって地に足をつけ、真剣に、現状打開の根本的な展望を明らかにする論戦をおこなっています。代表質問、予算委員会質問への大きな反響は、そうしたわが党の政治姿勢に国民が共感をよせていることを示すものです。

 七中総決定では、わが党にとって論戦は難しくない、新しい問題がおこっても綱領の立場で対応すれば、どんな問題でも答えが出せると強調していますが、事態はそのとおりに進んでいます。新しく深刻化したアメリカ発の金融危機や景気問題でも、「二つの政治悪」を正すという党の立場でこそ、国民の願いに応えることができることは、この間の一連の党の見解表明でも明らかです。

 解散の時期は流動的ですが、情勢の進展のなかで、「頑張りいかんではチャンスの情勢」という特徴は、日を追うごとに鮮明になっています。「自民・民主の対決」には中身がないということが、いよいよわかりやすくなっています。「二大政党対決」キャンペーンを「軽視しないが、恐れない」という立場で、「政治の中身を変える」「民主的政権への第一歩にする」という二つの旗印を掲げて、意気高く頑張りぬくときです。全党が、この政治的な特徴をよくつかみ、たたかいいかんで勝利をつかめる情勢が日々展開・発展していることに確信をもって、どんどん国民のなかに打って出る時です。

(2)

 全党は、もっとも早い総選挙の可能性――「十月十四日公示」を想定し、それまでに得票目標を大きく超える支持拡大をと、諸課題の推進に全力をあげてきました。この提起は、全党に緊張感をもって受けとめられ、総選挙勝利をめざす上げ潮の流れがわきおこりつつあります。この間の全党、後援会員、支持者のみなさんの奮闘に、心から敬意を表するものです。

 この一カ月間で新たに百十万の党支持を広げ、日々、支持拡大のテンポは上がりつつあります。「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」は、党創立記念講演ダイジェストビデオの活用などで「集い」の輪が広がり、演説会とあわせた参加者は、百万人を超える規模へという目標にあと十七万人と迫っています。すべての自治体・行政区で「集い」・演説会をというとりくみも、約二千の対象にたいしすでに千六百五十四で開催し、百六十五で計画されており、残すはあとわずかです。ポスターの張り出しは75%になりました。パンフレット『私たちはこんな新しい日本をめざしています。』は、「内容がわかりやすいので対話もしやすい。受け取りもかつてなくいい」と大好評で、すでに二千万部以上が配布されました。党員は十一カ月、「しんぶん赤旗」読者は五カ月、いずれも連続前進となりました。総選挙直前の時期のこうした党勢拡大はきわめて重要です。

 この間の活動の大事な特徴は、党の政治的主張と国民の気持ちがどの問題でも響きあい、打って出れば出ただけ、新しい層に党への支持と期待がいくらでも広げられる状況にあることです。また、党と後援会のなかに九月の全国都道府県委員長会議と七中総決定をうけて、「こんどこそ勝とう」というこれまでにない明るい決意、活力、気概が広がっていることです。

 同時に、わが党の活動を、七中総が示した「二つの基準」((1)全国六百五十万に見合って各都道府県、地区、自治体・行政区、支部で決めた得票目標の実現にふさわしい規模と速度の運動になっているかどうか、(2)他党との関係で、宣伝戦でも組織戦でも、あらゆる活動で他党を凌駕<りょうが>する活動になっているかどうか)でみるならば、前進は始まっているものの、広大な有権者からみればまだ限られたとりくみです。持てる力の発揮という点でも、まだ一部の活動にとどまっています。マスメディアの「自民と民主の政権選択選挙」というキャンペーンからみても、また他党派の総力をあげた必死の構えととりくみからみても、自力で風をおこし他党派を凌駕し勝利を切り開くという気概にたった活動が強くもとめられています。

 全党は、「十月十四日公示」を想定して大奮闘し、前進の流れをつくりだしてきましたが、これまでの活動の規模と速度の延長線上では勝利の保障はありません。ここをきびしく直視することが重要です。それぞれの党組織が、「二つの基準」にてらして、活動の到達点をリアルにみて自己分析し、なんとしても活動の大飛躍を勝ち取りましょう。

(3)

 解散・総選挙の時期が流動的なもとで、つぎのような構えが重要です。

 第一は、論戦とたたかいで解散に追い込むという政治的立場を、一貫して堅持することです。

 第二は、いつ解散となっても勝利できる準備を飛躍させながら、解散がのびたらのびただけ勝利の条件を広げるとりくみをすすめることです。様子見、一服気分は、きびしくいましめなくてはなりません。

 活動の基本方向は、七中総決定で示されています。

 第一は、全有権者を対象とした宣伝・組織活動の強化です。

 ポスター張り出し、パンフレットの配布を一刻も早くやりぬき、候補者を先頭に街頭からの訴え、音の宣伝をさらに強めましょう。

 対話・支持拡大のとりくみを一気にひろげることができるかどうかは、勝敗を分ける重大な分岐の一つとなります。対話・支持拡大は、公示までに得票目標を大きく超える構えで、(1)これまでの支持者に総当たりすることはもちろん、結びつきを生かして広げきる、視野を広げあらゆる活動の成果をくみつくす、(2)後援会員、読者、支持者に協力をお願いするという二つの方向で、広い層への働きかけをやりぬきましょう。重視すべきは、あらゆる結びつきを生かして「全国は一つ」「比例を軸に」の立場で、支持の訴えをおこなうことです。

 第二に、「大運動」を「支部が主役」の選挙戦の「軸」にすえて、発展、飛躍させることです。記念講演ダイジェストビデオを活用するなどして「集い」・演説会をさらに旺盛に開き、文字どおり最後の自治体・行政区、最後の一支部まで、ひとつのこらず必ずやりぬき、くりかえし開きましょう。

 第三に、党勢拡大をしっかりと位置づけ、党員拡大でも読者拡大でも、毎月末広がりに前進していくことです。読者拡大で前回総選挙時突破をめざす、すべての支部が新しい党員を迎える――を正面にすえて特別の努力をそそぎましょう。そうすれば、総選挙までの時間を最大限に生かして実力をつけて総選挙に臨むことができるし、党勢の上げ潮のなかで総選挙に臨むことができます。

 第四に、全支部、全党員が後援会員とともに立ち上がり、読者、支持者の協力を得て奮闘することです。七中総決定を、一刻も早く全支部で討議し、全党員に徹底し、みんなが立ち上がる状況をつくりましょう。これが最大の臨戦態勢です。記念講演ダイジェストビデオの視聴とパンフレットの読み合わせが、党と後援会の意欲を引き出しています。これらを力に、党と後援会の臨戦態勢の確立を急ぎましょう。

 “党の実力の強化”と“持てる力の発揮”という、これまでの国政選挙の最大の教訓をあらためて明確にしてとりくみましょう。

 この間のとりくみの教訓を確信にするとともに、活動の到達点を直視し、この十月、十一月、チャンスを生かしきる猛奮闘で、総選挙での勝利をなんとしても勝ち取り、七中総が訴えたように、この総選挙を民主的政権への大きな一歩をふみだす選挙にしようではありませんか。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp