2008年10月16日(木)「しんぶん赤旗」

英、学力テスト廃止へ

父母らの批判で14歳対象分


 【ロンドン=岡崎衆史】英国のボールズ児童・学校・家庭相は十四日、十四歳の生徒の全国テストを廃止すると発表しました。子どもたちが“テスト漬け”にされているとの教師や父母の批判を受けてのものです。

 廃止されるのは、現在十四歳を対象に行われている数学、英語、理科のテスト。七歳、十一歳を対象とする全国テストは存続します。

 十四歳のテストは、十一歳のテストとともに、学校別の成績が発表されるため、学校間競争を激化させ、教育がテスト偏重にゆがめられるとの批判が国民各層から出ていました。

 十四歳のテストを廃止した分、教師による子どもの成績の査定を行い、父母への報告をより頻繁に実施するといいます。

 廃止後の成績査定の仕組みについては来年二月に発表される専門委員会の報告書の中で明らかにされます。

 ボールズ児童・学校・家庭相は下院で、生徒一人ひとりに焦点を当てた教育を行えるよう「学校長から繰り返し要請されてきた」と述べ、テストが教師から不評だったことを明らかにしました。

 全国教員組合(NUT)のクリスティン・ブローワー書記長代理は英メディアに対し、今回の発表は、「現在のテスト体制の破たんを認めたもの」と述べ、他のテストについても見直すよう求めました。


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