2008年10月13日(月)「しんぶん赤旗」

汚染米 告発文

農水省 握りつぶす

登録機関の農薬検査記録も

厚労省に報告せず


 三笠フーズによる輸入汚染米の不正転売を告発する文書を受け取っていた農水省が、厚生労働省登録検査機関の残留農薬検査記録がついていながら、厚労省側にいっさい連絡をしていなかったことが十二日までにわかりました。


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(写真)輸入汚染米の流通を告発する手紙に同封されていた“証拠”の厚生労働省登録検査機関の残留農薬検査成績書

 この検査記録が添付された告発文書は、農水省が昨年一月と二月に受領したもの。ところが厚労省監視安全課によると、残留農薬の検査成績書と告発文書を見たのは、農水省が紙智子参院議員らに資料提出した九月末の席上。同課は「それまで、通知や照会がなく、知らなかった。初めて見た」と驚きを隠しません。

 農水省は、検査成績書を発行した厚労省登録の検査機関(民間会社)への調査も当時おこなっていません。食品衛生法違反の汚染米不正転売の“証拠”つきで、国内市場への流通疑惑を告発されながら、農水省は汚染米を三笠フーズに売り続けていただけでなく、厚労省に通報せず、疑惑を闇にほうむっていたことになります。

 匿名の二通の告発の手紙は、厚労省登録の民間検査機関による残留農薬の検査成績書をつけ、残留農薬(殺虫剤メタミドホス)0・05%と農水省が発表した「もち米と同品か」と指摘。農水省や商社から三笠フーズが購入した非食用輸入米の焼酎原料や米菓転売疑惑を告発していました。「不検出」とした残留農薬検査結果に、「別紙同封の分析表はほかの米とブレンドして分析したデータか?」と、疑問を投げかけていました。

 汚染米を食用に転用するため、本来必要がない検査を行っていたことを告発するものとなっています。

 また、農水省が告発文書を国会に提出したさい、残留農薬の検査成績を行った「登録検査機関」という文字と会社名、住所などが、農水省によって黒く塗りつぶされ、「厚生労働省」の文字だけが残っていました。そのため、厚労省が直接検査を行ったものとみられ、厚生労働省監視安全課は「誤解をあたえるもの」と不快感を表明。同課は、輸入時の検疫以外、残留農薬の有無などの検査証明を行うことはなく、「二〇〇三年の食品衛生法改正にともなう規制緩和で、厚労省指定検査制度から、登録されれば民間会社でも輸入検査できる登録検査制度になった。今回は三笠フーズが国内の流通段階で民間の検査会社と二社間の契約を結んでおこなったものにすぎない。厚生労働省の(輸入)検査ではない」と説明しています。


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