2008年10月6日(月)「しんぶん赤旗」

連帯と希望、全国に広げよう

志位委員長のあいさつ

全国青年大集会


 日本共産党の志位和夫委員長が五日、「全国青年大集会2008」でおこなったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)青年大集会であいさつする志位和夫委員長=5日、東京・明治公園

 みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。日本共産党の志位和夫です(拍手)。私は、毎年、全国青年大集会に参加してきましたけれども、こんなにも多くの若いみなさんが、全国のたたかいを持ち寄り、連帯のきずなを強め、新たなたたかいに立ち上がろうとしていることに、感動で胸がいっぱいの思いです。日本共産党を代表して、心からの熱い連帯のあいさつを送ります。(大きな拍手)

若者のたたかいが、現実の政治を動かしている

 一年半前の集会で、私は、この場所で、みなさんのたたかいに社会的注目が注がれているということを話しましたが、いまやみなさんのたたかいは、現実の政治を動かし、社会を変える力を発揮しつつあります。(拍手)

 規制緩和一辺倒だった政府・与党も、きわめて不十分ながら「派遣法の改正」ということをいいだしました。一部の大企業の製造現場でも派遣解消の動きが生まれています。若者のたたかいが、労働者のたたかいが、現実を一歩前に動かしつつあるということに、まずみんなで確信をもとうではありませんか。(歓声、拍手)

違法行為を正そうと勇気をもって立ち上がった若者の職を奪うことは許せない

 もちろん、たたかいはこれからが正念場です。

 私は、今後のたたかいで重要になってくる四つの問題について、ともにたたかう決意をこめて、のべたいと思います。

 第一は、違法行為を正そうと、勇気をもって立ち上がった若者が、逆に職を奪われるということを、絶対に許してはならないということであります。(大きな拍手)

 松下プラズマ、日亜化学、キヤノン宇都宮光学機器などで、若いみなさんが、やむにやまれず偽装請負からの救済を求めて立ち上がりました。ところが大企業の側は、違法行為を反省するどころか、雇い止めによって職を奪った。日亜化学の島本さんたちにしても、キヤノンの宮田さんにしても、松下プラズマの吉岡さんにしても、違法行為の被害者でしょう。被害者がさらに職を奪われるという被害を受ける、こんな理不尽なことを絶対に許すわけにいかない。この決意を固め合おうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

派遣法の改正――中途半端な取り繕いでなく、抜本改正を

 第二に、派遣法の改正を、中途半端な取り繕いに終わらせては絶対にならないということであります。

 政府・与党は、「日雇い派遣の原則禁止」をいうものの、「使い捨て」労働の大本にある「登録型派遣」は野放しにする姿勢です。派遣法の改正をいうならば、一九九九年の大改悪――派遣労働を原則自由化にした大改悪前に法律を戻し、さらに違法行為があった場合には受け入れ企業に正社員とする義務を負わせる――「使い捨て」労働を許さない抜本的な法改正を求めていこうではありませんか。(拍手)

どんな形であれ「首切り自由の使い捨て労働」をなくせ

 第三は、派遣、請負、期間社員、パート、どんな形であれ、「首切り自由の使い捨て労働」をなくしていくことです。

 キヤノンは、国民の批判をあび、私たちが国会で追及するなかで、「年内に製造現場での派遣労働を解消する」といいました。しかし、派遣はなくすものの、期間社員と請負に置き換えるという。現地にいってうかがいますと、期間社員は、五カ月、六カ月の短期契約を繰り返し、最長でも二年十一カ月で雇い止めとされる。これでは問題は解決しません。どんな形であれ、「首切り自由の使い捨て労働」はなくせ。正社員にしろ。この声を一つにしてつきつけていこうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

非正規社員と正社員の団結で、人間らしい労働のルールを

 第四に、非正規社員と正社員の団結と連帯を訴えたいと思います。

 「名ばかり管理職」が一大社会問題となり、マクドナルドの直営店長さんの勇気あるたたかいをきっかけに、残業代を支払う企業が相次いでいます。

 正社員もまた苦しんでいます。「過労死」を生み出す長時間・過密労働、「サービス残業」、成果主義のおしつけ、メンタルヘルスに苦しんでいます。正社員になっても、三年で三割もの若者が辞めています。「辞めなければ死んでしまう」――こういう悲痛な叫び声が聞こえるではありませんか。

 非正規社員と正社員が、互いの要求を自らの要求として、連帯し、人間らしい労働のルールを団結の力でつくりあげていこうではありませんか。(拍手)

『蟹工船』ブーム――連帯して立ち上がれば希望がある

 いま若者のなかで小林多喜二の書いた『蟹工船』がブームです。若者が、なぜいまあの小説に心を寄せて読むのか。それは、ただ単に『蟹工船』に描かれている奴隷的な労働が、現代に新しい残酷な形をとって立ちあらわれたというだけではないと思います。『蟹工船』には迫害に耐えながら、最後は団結して立ち上がる労働者の姿が描かれています。帝国海軍の軍艦が出てきて、労働者のたたかいを鎮圧する。しかし、「彼等は、立ち上った。――もう一度!」という希望ある言葉で、あの小説は結ばれています。

 あの小説を若い方々が読み出したのは、悲惨な実態に自らの実態を重ねているだけではない。連帯して、立ち上がれば希望はある。そこに希望を見いだしているからではないでしょうか(拍手)。私はそういう若者が日本全国に広がっていることこそ、日本の大きな希望だと考えるものであります。(「そうだ」の声、拍手)

若者のすべてが、安心して学び、働き、幸せになれる日本をめざして

 私は、この問題について、みなさんに背中を押されて国会で頑張ってまいりました。二月の予算委員会で派遣労働の問題をただしました。先日の衆院本会議でも、冒頭に雇用問題を取り上げましたが、あさっての予算委員会でもすべての時間を使って、この問題を再度追及するつもりでいます(「オー」「いいぞ」の声、拍手)。みなさん、この日本から、生きている人間をモノのように「使い捨て」にして恥じない、そんなやり方をなくしていこうではありませんか。(拍手)

 若いみなさんが、ほんとうに未来に希望がもてる日本、みんなが安心して、学び、働き、幸せになれる、そういう日本をつくるために、私は最後までみなさんとともにたたかう決意を表明して、連帯のあいさつとします。ともに頑張りましょう。(「イエーイ」の声、指笛と大きな拍手)



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