2008年10月3日(金)「しんぶん赤旗」

雇用破壊が貧困生む

日弁連が人権擁護大会


 日本弁護士連合会の第五十一回人権擁護大会が二日、富山市で始まり、「労働と貧困」をテーマにした分科会が開かれました。同会がワーキングプアに焦点をあてた取り組みを行うのは初めて。

 基調報告では、労働と生活保護の両課題をあわせた全国一斉相談を初めて行い、相談者のうち年収二百万円以下が六割に及んだと報告。非正規雇用が54%の韓国の実態や貧困対策に取り組むイギリスなど五カ国の調査が紹介されました。

 光洋シーリングテクノや日亜化学、キヤノンなど、偽装請負を告発し、正社員化を求める各地の労働者の聞き取り調査や労働者の発言が相次ぎました。

 製造工場に派遣されて八年働いた男性(50)が登壇。アパートを追い出され、野宿生活を送ったとのべ、「派遣も正社員と同じように働いている。人間として扱ってほしい」と訴えました。

 首都圏青年ユニオンの代表や研究者らを交えた討論で、龍谷大学の脇田滋教授は、日本の労働者派遣法について、「毒の缶詰だ」と批判。派遣労働は臨時的・一時的業務に限るべきだとのべ、「派遣法を改正するだけでも、深刻な現状をかなり改善できる」と強調しました。

 あいさつした田川章次副会長は、「ワーキングプアが増えた要因は、政府の『構造改革』政策にある」とのべ、貧困をなくしていこうと呼びかけました。



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