2008年9月20日(土)「しんぶん赤旗」

世田谷国公法事件

公務員の権利を無視

時代錯誤で不当な判決

日本共産党 市田忠義書記局長が談話


 日本共産党の市田忠義書記局長は十九日、国公法世田谷事件の東京地裁判決について、次の談話を発表しました。


 国公法世田谷事件で、東京地裁は本日、宇治橋眞一氏にたいして、罰金十万円の有罪判決を言い渡した。

 世田谷事件は、厚生労働省職員の宇治橋氏が、二〇〇五年総選挙の最終日に、世田谷区内の警察官官舎に「しんぶん赤旗」号外を配布したもので、配布場所では住居侵入という別の容疑で検挙されたものが、宇治橋氏が国家公務員だと判明すると、住居侵入は不問に付して国家公務員法違反(政治的行為)で起訴していたものである。

 国家公務員法にもとづいて人事院規則として制定されている政治的行為の禁止規定は、すべての国民に表現の自由などを保障している憲法二一条や国際自由権規約に反する違憲・違法の規定であることは、ひろく学会や言論界から指摘されていることである。今回の判決は、各方面から批判をあびて事実上もちいることのできなかった一九七四年の猿払事件の最高裁判決を、〇六年の国公法堀越事件につづいて復活させようとする時代錯誤のものである。

 裁判では、住居侵入での逮捕の違法性、そもそも国公法と人事院規則の政治的規定による規制の違憲性、業務時間外に職場と無関係の場所で、かつ国家公務員の外見のまったくない状況のもとでの政治活動が人事院規則にさえまったく抵触しないこと―などを明確にしてきたが、裁判所はこれらの主張を一顧だにすることなく、有罪判決を下したことは、きわめて不当である。

 日本共産党は、公務員の市民的政治的自由を確立するために、世田谷事件と堀越事件の二つの国公法事件の裁判を、当事者と弁護団、労働組合や諸団体、個人と協力して、世論と運動を発展させ、当事者の無罪をかちとるとともに、国家公務員の政治的行為の規制そのものを打ち破るために、全力をあげていきたい。


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