2008年9月7日(日)「しんぶん赤旗」
米国務長官
55年ぶりリビア訪問
ライス氏 「両国の新たな段階」
【カイロ=松本眞志】ライス米国務長官は五日、リビアの首都トリポリを訪れ、同国の最高指導者・カダフィ大佐らと会談しました。一九五三年以来、五十五年ぶりの米国務長官の訪問です。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによると、ライス氏は会談後の会見で、「(米・リビア)関係はこの数年間、良い方向に動いてきた。訪問は両国の新たな段階を示すものになる」と語り、長年にわたる両国の敵対関係に終止符を打つとの認識を示しました。
会談では、米国企業の対リビア投資の拡大やリビア人留学生の受け入れ枠拡大など経済・人的交流の活発化が話し合われました。ライス氏はリビア国内の人権問題にも言及しましたが、リビア側は「(人権問題で)われわれがどのようにふるまうのかについて説明を受ける必要はない」と応じました。
米国はリビアを「テロ支援国家」に指定し、軍事的脅迫を続けてきました。レーガン政権が八六年にリビアを空爆し、両国間の緊張は一挙に高まりました。その後リビアは、二〇〇三年に核兵器を含む大量破壊兵器開発を断念し、パンナム機爆破事件(八八年)の責任を認めました。旧宗主国のイタリアなど欧州諸国もこれに応じ、経済協力を表明するなど、この間、リビアの国際的孤立からの脱却が進展していました。
米国も域内有数の産油国であるリビアでの利権確保の思わくなどから関係改善に動き出し、〇六年に「テロ支援国家」の指定を解除。ライス氏の訪問については、核兵器開発問題で揺れるイランや北朝鮮に対するメッセージだと指摘する専門家の声もあります。

