2008年9月6日(土)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療制度 国会の決定的場面で各党は?


 〈問い〉後期高齢者医療制度導入にいたる経過で、反対を貫いたのは日本共産党だけだと聞きました。国会の決定的場面で、各党の態度はどうだったのですか?(北海道・一読者)

〈答え〉今年4月に実施された後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を国保や健保から切り離し、負担増や受けられる医療の制限に追い込む、世界に例のない年齢差別のしくみです。日本共産党は制度の原型が現れた約10年前から狙いを見抜き、反対を貫きました。

 まず各党の態度が問われたのは、1997年6月12日の参院厚生委員会でした。健康保険法改悪案の審議の際、高齢者医療制度について「新たな制度の創設も含めた抜本的見直しを行う」と、新制度創設を求める付帯決議案が提出され、日本共産党以外の各党が賛成しました。

 これを受けて同年8月7日、小泉純一郎厚相(当時)が「新たな高齢者医療制度は、若年者の医療保険制度とは別建て」という考えをとり入れた厚生省案を発表。次第に若年者と別建ての新たな高齢者医療制度が具体化されます。こうした動きを受け、日本共産党は2000年11月の第22回党大会で、「憲法25条に保障された生存権の根本が脅かされる」と、反対運動を呼びかけました。

 決定的な場面は、00年11月30日の参院国民福祉委員会でした。健康保険法改悪案採択の直後、付帯決議案が提出されます。「新たな高齢者医療制度等の創設については、早急に検討し、平成14年度(02年度)に必ず実施する」「老人医療及び慢性期医療については、包括・定額化を更に進める」など、現行制度の骨格となる考え方が盛り込まれました。自民党、保守党、民主党、公明党、社民党などが共同提案し、日本共産党だけが反対しました。

 06年6月14日、後期高齢者医療制度を盛り込んだ医療改悪法が自民党、公明党の賛成多数で可決・成立しました。民主党、社民党は反対したものの、「後期高齢者医療の新たな診療報酬体系」を求めた付帯決議案に賛成しました(13日)。この決議案に反対したのは日本共産党だけでした。厚労省が最近まとめた同制度の経過を示す年表資料にも「共産党以外賛成」と明記されています。当時の厚労相だった川崎二郎衆院議員は06年の論戦を振り返り、「日本共産党だけはちゃんと本質を突いていた」と語りました。

 しっかりした足場をもった共産党のたたかいがあったからこそ、野党4党共同による後期高齢者医療制度廃止法案の国会提出、参議院での可決という歴史的な情勢をつくり出すことができました。(恒)

 〔2008・9・6(土)〕


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