2008年8月27日(水)「しんぶん赤旗」
宇宙基本法きょう施行
「軍拡、国民で監視を」
七人委員会がアピール
世界平和アピール七人委員会(事務局長・小沼通二慶應義塾大学名誉教授)は二十六日、「宇宙基本法の監視」を国民に訴えるアピールを発表しました。
二十七日に施行される宇宙基本法は、これまで非軍事に限定されてきた日本の宇宙開発を公然と軍事利用に拡大する狙いで自民・公明・民主の各党が今年五月に強行したもの。施行にともない、内閣の宇宙開発戦略本部(本部長・福田康夫首相)が発足します。
アピールは、同法がわずか四時間程度の国会審議でスピード成立した過程について「現在と将来の国民に責任をもって決定する姿勢がまったく見られなかった」としています。
また、同法により宇宙の軍事予算が際限なく拡大することを懸念し、「安全保障を軸とした研究開発への動員と軍需産業の拡大強化には同意できない」としています。
今後、同法を基礎に、具体的な運用のための法整備が進んでいくことになっています。アピールは、国民に「宇宙利用が平和憲法の原則から名実ともに外れることがないよう厳しく監視していく」ことを訴えています。
小沼氏とともに東京都内で記者発表した、池田香代子委員(ドイツ文学翻訳家)は「戦争は忍び足でくる。多くの人に、危険なことを知ってほしい」と述べました。
世界平和アピール七人委員会 ノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士らが参加して一九五五年に結成した、知識人による意見表明の会。各界の七人の委員で構成され、日本国憲法の平和主義にもとづく訴えや、核兵器廃絶の呼びかけなどをおこなっています。