2008年8月21日(木)「しんぶん赤旗」
タイ・カンボジア寺院問題
国境画定の努力で合意
【ハノイ=井上歩】ヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア」の領有をめぐりタイとカンボジアの軍兵士が対峙(たいじ)している問題で、両国外相は十八、十九の両日、タイのフアヒンで会談し、遺跡周辺地域の国境画定へ取り組みを強めていくことで合意しました。遺跡周辺に配置した兵士を完全に撤退させる方向でも一致しました。
七月、遺跡の世界遺産登録決定と遺跡に入ったタイ人の一時拘束をきっかけに両軍が国境をはさみ千人規模の兵士を対峙させた事態は終結を迎え、問題の根本的な解決に向けて動きだしました。
現地からの報道によると、タイのテート外相とカンボジアのホー・ナムホン外相が会談後に声明を発表。国境画定への取り組みを強化するため、十月に国境委員会の会合を開くことを明らかにしました。
また、遺跡周辺からの軍の完全な撤退を目指し、二十九日に両国の軍当局者が協議することも決めました。
ホー・ナムホン外相は記者会見で「いまは二十一世紀。両国は問題を平和的、友好的に、法の下で解決する」と強調。両国が遺跡から兵士を完全に撤退した後、カンボジア側は警察のみを駐留させる考えを示しました。
プレアビヒアは両国が長年領有権を争い、一九六二年に国際司法裁判所がカンボジア領と判断。
しかし現在も周辺の国境は画定しておらず、双方の主張する国境が異なっていることが緊張発生の原因となってきました。
両国は七月末の外相会談で軍を撤退させる方向性で一致。軍当局者の協議を経て十七日には遺跡周辺の兵士を大幅に削減し、遺跡近くのパゴダ(仏塔寺院)とその付近に数十人の兵士が残るだけとしていました。

