2008年8月2日(土)「しんぶん赤旗」

民主党と日本経団連の「政策を語る会」とは?


 〈問い〉 日本共産党第6回中央委員会総会への志位委員長報告で、民主党が「財界の要求に迎合した」例として、経団連との「政策を語る会」をあげていますが、どんな会だったのですか?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 民主党と日本経団連は2005年以来、「政策を語る会」を毎年開催してきました。今年6月の第4回「政策を語る会」には、民主党側から直嶋正行政調会長や藤井裕久税制調査会長らが、経団連側から張富士夫副会長(トヨタ自動車会長)らがそれぞれ出席しました。

 民主党は、経団連が求める法人実効税率の「国際水準への引き下げ」に「理解できる」と表明。消費税については、年金財源として「世代を超えて国民全体で負担する消費税がふさわしい」「医療費についても、消費税を財源に充てたい」と目的税化を示唆したうえ、「税率の引き上げは歳出削減を行ったうえで」として増税を前提とした考えまで示しました。

 また、日本への農産品輸入自由化と引き換えに自動車など日本製工業製品にたいする相手国側の輸入関税を引き下げさせる目的で、アジア諸国などとの経済連携協定(EPA)の締結推進を求める経団連にたいし、「EPAについては、経団連の主張に全く同感であり、民主党としても積極的に推進していく。経団連の考えを踏まえて、政府に対して注文を付けていきたい」と表明しています。

 席上、同党は経団連側が求める10項目の「優先政策事項」に対応した「民主党の政策」の一覧表を経団連に提出しました。

 今回の「語る会」で民主党側は、財界の多くの要求に迎合し、「経団連側とのそれぞれ基本認識の一致を確認」(民主党サイトの「ニュース」)と成果を誇りました。

 同党と経団連の関係は今年2月、3年ぶりの「首脳懇談会」を開催して以来、活発になっています。

 これらの背景には、大企業から受け取る政治献金の問題があります。同党は今年度の活動方針で、「(昨年の)参議院選挙の結果を受け、経済団体からの民主党への期待は高まっています。この機を逃さずコミュニケーションを活発化し一層の理解と関係の強化に努めます」と、対財界関係強化の戦略まで掲げました。

 「政策を語る会」は、経団連にとっては民主党に財界の政策要求を示す場であり、民主党にとっては、財界に「責任政党」として政策面での努力を売り込み、「評価」と政治献金を稼ぐ重要な場なのです。(林)

 〔2008・8・2(土)〕


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