2008年7月31日(木)「しんぶん赤旗」
「成果なきサミット」
NGOが会合
G8を批判
「2008年G8サミットNGOフォーラム」(星野昌子代表)は二十九日、東京都内で会合を開きました。七月初めに北海道で開かれた洞爺湖サミット(G8)について、出席者から「成果なきサミットだった」など批判の声が相次ぎました。会合には百二十四人が参加しました。
自然保護団体WWFジャパンの山岸尚之さんは、「前進がなかったサミットだった」と指摘。二〇二〇年までの温室効果ガス削減の中期目標の数値が掲げられなかったことをあげ、「昨年末、途上国は温暖化対策に向けて、何らかの行動を起こす態度を示し、先進国にボールを投げていた。今回は二〇二〇年までに(先進国が)どれだけ削減するつもりがあるのかが重要だったが、数字は示されなかった」と批判しました。
「成果なきサミットだった」と語ったのは人口問題を考える国際NGOジョイセフの石井澄江さん。「気候変動と貧困は関係がある。貧困層の暮らしに与える温暖化という悪影響の予防責任を(G8は)果たせなかった」と指摘しました。
警察による過剰な警備や海外NGOが入国を拒否された問題など、「開かれたサミットではなかった」との声もあがりました。
国や自治体に環境政策の提言を行うISEPの大林ミカさんは、「先進国のNGOとしてG8に働きかけるのは私たちの責任。自分の国の政府は、自分たちでしか変えることができない。今後の国際会議でも働きかけていくべきだと思う」と語りました。
百四十を超えるNGOが集まる同団体は、G8にあわせ、環境、貧困などについて話し合う「市民サミット」を開きました。