2008年7月16日(水)「しんぶん赤旗」

雇用保険 派遣社員が直接雇用に

労働実態同じなら被保険者期間は合算


 派遣社員から直接雇用に切り替わった工場作業員に対して、厚生労働省の労働保険審査会が、異なる雇用主であっても労働実態に変化がなければ、雇用保険の被保険者期間を合算できるとする決定をしたことが十五日、わかりました。裁決は十四日付。

 裁決を受けたのは、神奈川県内に住む工場作業員の男性(52)。二〇〇六年四月に直接契約しましたが、五カ月後に脳出血で倒れ、傷病手当を受けながら療養し、〇七年二月に退社。同年三月、東京都八王子公共職業安定所から、直接雇用後は被保険者期間として認められず失業給付金は残り二カ月と知らされ、異議を申し立てていました。

 労働保険審査会は裁決で、派遣元と派遣先の雇用を機械的に区分して「十四日以上勤務の月が六カ月以上」という条件に満たないことを理由に直接契約後を被保険者期間として認めなかった公共職業安定所の処分を取り消し、男性のような事例では「安定所長の確認」を条件に、被保険者期間を通算できると認めました。

 裁決を受け、〇七年五月までだった男性の失業給付金の受給期間は〇八年四月に是正されます。

 男性の代理人を務めた飯田美弥子弁護士は「派遣法の改正で男性のように直接契約に切り替えるといった労働者は多いはず。合算を認めた裁決は画期的だ」と話しています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp