2008年7月12日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党第6回中央委員会総会開く

響きあう 情勢と綱領路線

「政治の中身の変革」語ろう

総選挙で勝てる強大な党を

志位委員長が幹部会報告


 日本共産党は十一日、党本部で第六回中央委員会総会(六中総)を開きました。会期は二日間です。志位和夫委員長が幹部会を代表して(1)綱領と情勢が響きあう――新しい劇的な進展(2)総選挙勝利をめざす活動の到達点と強化方向(3)若い世代のなかでの活動、とくに民青同盟への援助の抜本的強化――の三つの主題で報告。昨年九月に開いた五中総以降の前進をふまえ、活発な討論が行われました。


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(写真)第6回中央委員会総会で幹部会報告をする志位和夫委員長=11日、党本部

 志位氏は、五中総後十カ月の情勢の進展について「綱領と情勢が共鳴しあう、新しい劇的な進展が目の前で生じ、日本共産党への新たな注目と期待が広がっている」と指摘。「これらの変化は自然におこったものでなく、全党の攻勢的な奮闘でつくられたものだ」と強調しました。

 第一は、弱肉強食の「新自由主義」の暴走がもたらした矛盾が、国民生活のあらゆる分野で噴出し、「日本の前途を真剣に考えるならば綱領に明記された経済的民主主義にたった改革が避けて通れなくなっている」ことです。

 雇用、社会保障、食料と農業、地球環境、消費税、投機マネー、マクロ経済政策でそのことを詳しく解明。世論で消費税増税勢力を包囲することや、原油・穀物高騰から国民生活を防衛する緊急対策などを訴えました。

 第二は、戦争と平和をめぐる世界の力関係が大きく前向きに変化していることです。

 そのなかで、日本が海外派兵、米軍基地、憲法、核兵器廃絶などの諸問題でアメリカ追従、軍事偏重の政治をつづけていることの異常ぶりを告発。対米従属打破、国連憲章にもとづく平和秩序をめざす綱領の立場が世界の流れとも響きあっていることを明らかにしました。また、北朝鮮問題で党の基本的立場を表明しました。

 第三に、資本主義そのものの是非が問われる状況が生まれていることです。「資本主義の限界」が議論され、それと結びついて日本共産党への新たな注目が広がっていること、その背景にある世界と日本の大きな変化にもふれつつ、この動きにたいしても抜本的な回答をもっている綱領を大いに語ることをよびかけました。

 総選挙勝利をめざす政治的構えでは、「政権選択選挙」のキャンペーンが激しくなることが予測されるもとで、「総選挙の焦点は、政権の担い手の選択ではなく、政治の中身の変革だ」と攻勢的に押し出し、「日本共産党をのばしてこそ国民の利益にかなった政治の中身の変革が開ける」と語りぬくことが大事だと力説しました。

 活動の強化方向としては、生命力あふれる運動として豊かに発展している「綱領を語り、日本の前途を語り合う大運動」を参加者百万人をこえる規模に発展させることをはじめ、後援会活動の強化、全国すべての自治体・行政区で「集い」「演説会」を開催する――などを提起しました。

 また、党勢拡大は、一定の前進をつくりながらも、党活動のなかで最も遅れた分野となっており、従来のとりくみの延長線上では総選挙に勝利する保障はない、と強調。年内にやりきる目標として、(1)すべての党支部が新たな党員を迎える(2)「しんぶん赤旗」読者を年内に日刊紙で三万人以上、日曜版で十三万八千人以上を拡大し、前回総選挙時を上回る峰を築くことを提案しました。

 若い世代への働きかけでは、この世代のおかれている実態、要求、悩みに心を寄せるとともに、現状打開の科学的展望を広げることが大事だと強調。すべての党地区委員会が、対応する民青地区委員会再建のために力を尽くすことをよびかけました。

 最後に志位氏は、十カ月の豊かな前進から教訓と確信を引き出し、全党が総決起することを訴えました。

来年1月に第25回党大会

 志位和夫委員長は幹部会報告で、第二十五回党大会を、来年一月に開催することを提案しました。

 党大会は、党の最高機関で、党の活動方針を決め、中央委員会を選出します。規約で二年または三年のあいだに一回開くとされています。前回大会(二〇〇六年一月)から来年一月で三年が経過することを考慮し、次期党大会の開催を提案したものです。

 大会の招集日と議題はおそくとも三カ月前に全党に知らせることになっていることから、志位氏は正式の招集を、つぎの中央委員会総会でおこなうと表明しました。

 同時に志位氏は、解散・総選挙の時期が年内や来年初頭など、来年一月の党大会開催と矛盾する情勢の展開となったさいには、「規約にそくして招集の延期の措置をとることになる」とのべました。


第六回中央委員会総会への幹部会報告

(骨子)

一、綱領と情勢が響きあう――新しい劇的な進展

十カ月の情勢の進展は、五中総決定を鮮やかに実証した

「新自由主義」の矛盾が噴出――経済的民主主義にたった改革は避けて通れない

・綱領の立場にたった「攻め」の論戦と運動が、国民の共感を広げている

・雇用問題――「ルールある経済社会」めざす綱領の立場で、財界戦略を追い詰める

・社会保障――後期高齢者医療制度を大争点におしあげた日本共産党の役割

・食料と農業――共感が広がる「農業再生プラン」と、綱領の立場

・地球環境――異常な大企業中心主義をただす日本共産党ならではの提案

・消費税問題――圧倒的世論で増税勢力を包囲する国民的たたかいをよびかける

・投機マネーと物価高騰――国際的規制と生活防衛の緊急対策を求める

・マクロ経済政策――「大企業から家計へ軸足を移せ」の主張が広く共鳴しあう

大きく変わる世界――アメリカいいなり政治をつづけていいのか

・一国覇権主義の破たんと孤立――戦争と平和の力関係が大きく前向きに変化

・広がる平和の地域共同体――ユーラシア大陸でも、南北アメリカ大陸でも

・海外派兵――世界の流れに逆らい、憲法を踏みにじるくわだてに反対する

・米軍基地――追い詰められているのは日米両政府、連帯したたたかいの発展を

・憲法・教育問題――国民世論の画期的変化を確信に、憲法擁護の多数派結集へ

・核兵器廃絶――世界の本流に逆らう日本政府、核固執勢力を包囲するたたかいを

・北朝鮮問題――国際社会の努力と、日本政府のとるべき基本姿勢について

「資本主義の限界」論と党綱領の立場

・背景には世界と日本の大きな変化がある

資本主義の矛盾が、世界的な規模でかつてなく深いものに

ニセの「社会主義」の看板を掲げていたソ連の崩壊

日本では「ルールなき資本主義」「新自由主義」で資本主義の害悪がむきだしに

・綱領はこの問題でも抜本的回答をしめしている

資本主義の枠内の民主的改革、民主的な国際経済秩序を

地球的規模で資本主義の是非が問われる時代

・綱領がしめす未来社会論、党名に込めた理想を大いに語ろう

二、総選挙勝利をめざす活動の到達点と強化方向

解散・総選挙にのぞむ姿勢と、次期党大会の招集について

総選挙勝利をめざす政治的構え――政権の担い手の選択でなく、政治の中身の変革を

・自公政権に正面から対決するとともに、政治の中身の変革を大いに語ろう

・民主党の政治的立場への批判も、日本改革の方針を太く語ることと一体で

「大運動」が生命力にあふれ大きく発展――百万をこえる規模をめざそう

・「大運動」のとりくみの到達点について

・「大運動」が生み出した三つの変化

党と国民の関係――深い理解、信頼、絆(きずな)が広がる

党活動の変化――国民とともに強く大きな党をつくる運動

選挙活動の日常化――その威力は中間地方選挙でも発揮された

・総選挙勝利とともに、綱領実現をめざす日常活動としても発展させよう

新しい選挙方針の実践の到達点と課題について

・議席目標と得票目標――「支部が主役」の選挙戦にしていく要

・比例代表選挙に力を集中する新しい方針の実践について

早い段階からの候補者決定と日常的・系統的活動が大きな力を発揮

後援会活動の強化――総選挙を「国民とともにたたかう選挙」に

いかに「自らの選挙」にするか――全国すべての行政区で「集い」「演説会」を

中間地方選挙の最大の教訓――党づくりが選挙の立派な結果につながる

選挙で勝てる党づくり――年内に党勢拡大の大きな高揚を

・党建設の到達点――全党の奮闘で新しい前進への流れが築かれつつある

・総選挙勝利、大会成功をめざす党勢拡大の目標の提案

・客観的、主体的条件を生かし、法則的教訓に学べば、目標をやりきる道は開かれる

・すべての党員が「しんぶん赤旗」日刊紙を読み、いまの時代をともに生きる連帯を

三、若い世代のなかでの活動、とくに民青同盟への援助の抜本的強化

若い世代にどういう姿勢で働きかけるか

・若い世代が直面している「二重の苦しみ」に心を寄せる

・関心にそくして、現状打開の科学的展望を広げるとりくみを

民青同盟の強化のために、全党的なとりくみをよびかける

・若い世代の民主的結集と成長にとってかけがえのない役割

・すべての党地区委員会が、対応する民青地区委員会再建のため力をつくそう

・青年支部が果たすべき任務について

党と革命運動の未来を展望して、党機関の系統的なとりくみを

五中総以降の豊かな前進を確信に、総選挙にむけた全党の総決起を


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